91年前の1931年5月1日、アメリカ・ニューヨークの観光名所として知られる「エンパイアステートビル」がオープンしました。 

ピンクと白の「桜色」にライトアップされたエンパイアステートビル=2012年、朝日新聞社

エンパイアステートビルは、102階建てで、塔の先端は地上443メートル。

3000人の職人を投入して1年と45日で完成にこぎつけたといいます。

「キング・コング」や「めぐり逢えたら」など、様々な映画の舞台となったことでも知られています。

 

当時の朝日新聞では、開業前の1931年4月21日付の夕刊(東京本社版)で、「飛行船をつなぐ世界一建築物完成」という見出しで報じています。 

1931年4月21日付の朝日新聞夕刊(東京本社版)

エンパイアステートビルは「世界一高いビル」でしたが、それは約40年間で終わりました。

1972年に、同じニューヨークに110階建ての「世界貿易センタービル」が完成し、「世界一高いビル」の座を譲りました(世界貿易センタービルは2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件で倒壊)。 

いまの「世界一高いビル」は、2010年に完成したアラブ首長国連邦(UAE)の経済都市・ドバイにある「ブルジュ・ハリファ」(828メートル)です。 

ドバイにある世界一の超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」=2012年、朝日新聞社

ニューヨークは新型コロナウイルスの感染拡大で、ブロードウェーミュージカルが休止となるなど、観光面で大きな影響が出ました。

ニューヨーク観光の中心地であるマンハッタンを象徴する「エンパイアステートビル」はこれまで、年間400万人以上の観光客をひきつけてきました。 

「世界一高いビル」でなくなっても、コロナ禍で苦しんでも、91年間愛されてきたビルの人気は衰えていないのではないでしょうか。 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年5月1日に公開した記事を転載しました)