33年前の1989年4月21日、任天堂が携帯ゲーム機「ゲームボーイ」を発売しました。

任天堂が発売したゲームボーイ=1989年、朝日新聞社

1989年1月18日付の朝日新聞の発売予告記事によると、本体は縦14.8センチ、横9センチ、厚さ3.2センチ、重さは単3乾電池4本を含め300グラム。

iPhone12(縦14.7センチ、横7.2センチ、厚さ0.7センチ、162グラム)と比べると、厚さは約4倍、重さは約2倍です。 

 

1989年12月のクリスマス商戦の記事には「今春の発売以来、大ヒットとなり、月産40万台でも各地で品切れ状態が続いている」とあります。

同時期に住友ビジネスコンサルティングが発表した1989年のヒット商品番付では、西の関脇に選ばれました。

ちなみに東の関脇は、音に反応して踊る「フラワーロック」、横綱や大関には「幕張メッセ」や「はちみつレモン」などが入りました。 

1989年のヒット商品番付で、ゲームボーイは西の関脇に入った=1989年12月20日付朝日新聞朝刊(東京本社版)

この直後の1989年12月29日、日経平均株価は史上最高値となる3万8915円をつけます。

その後、日経平均株価が乱高下する中でも、任天堂は好業績を重ねます。

ゲームボーイ人気が追い風となり、1990年5月15日付の朝日新聞の記事では、社員1人当たりの経常利益が1億3千万円に達したと報じられました。 

近くのプレイヤーとデータを送受信する機能を使ってゲームを楽しむ子どもたち=2009年、朝日新聞社

発売30年の節目に載った2019年4月の朝日新聞の記事によると、ゲームボーイで画期的だったのは、通信ケーブルでゲーム機同士をつなぎ、対戦などを楽しめる機能です。

その後、各社の携帯ゲーム機にも様々な通信機能が搭載されました。

ゲーム内で他のプレイヤーと交流することはいまや当たり前ですが、その基盤を築いたのがゲームボーイだったのです。 

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年4月21日に公開した記事を転載しました)