6年前の2016年5月3日、東京都中央区の築地市場で、豊洲市場に移転する前の最後の「築地市場まつり」が開かれました。 

当時の朝日新聞では、「まつり有終、ありがとう築地」との見出しとともに、このように伝えています。 

11月に豊洲市場(東京都江東区)に移転する築地市場(東京都中央区)で3日、最後となる「築地市場まつり」が開かれた。15万人(主催者発表)が訪れ、全国の産地から届いたカキやホタテなどを味わった。 

築地市場協会の伊藤裕康会長(81)は「たくさん集まってもらえて感無量。寂しさはあるが、築地への感謝と、これでひとつの区切りだという思いがわいた」。

2016年5月4日付朝日新聞朝刊(東京本社版)

2016年5月4日付朝日新聞朝刊(東京本社版)

築地市場から豊洲市場への移転をめぐっては、この「築地市場まつり」が開かれた後の2016年7月に行われた東京都知事選で、移転の一時凍結を掲げた小池百合子氏が当選。

8月には「移転延期」を正式に表明しました。追加の汚染対策工事などを経て、予定より約2年遅れた2018年10月、移転が実行されました。 

一般利用客が訪れている豊洲市場=2018年10月13日、朝日新聞社

築地市場の跡地は今後、どう活用されるのか。

東京都は2019年、国際会議場・展示場などを中核に整備する計画を公表し、民間に土地を貸し出す形で事業を進めていく方針を示しています。

 

「都心の一等地」と言われる築地。

今後どんな姿になるのか、東京の未来を示すものになるのではないでしょうか。 

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年5月3日に公開した記事を転載しました)