125年前の1897年4月19日、アメリカのボストンで第1回ボストン・マラソンが開かれました。

毎年開催のマラソンレースとしては世界最古で、後半の「心臓破りの坂」が有名です。

世界5大マラソンの一角を占めます。 

 

多くの日本選手が活躍してきた大会でもあります。 

1951年に当時20歳の田中茂樹さんが日本選手として初めて優勝。

当時の朝日新聞には「田中少年優勝」の記事が載りました。

終戦から間もない日本にとって、1940年代後半に水泳で世界記録を連発し、「フジヤマのトビウオ」と呼ばれた古橋広之進さんに続く快挙でした。 

帰国後、優勝の金メダルを母親に見せる田中茂樹さん=1951年、羽田空港、朝日新聞社

その後も1953年、1955年、1965年、1966年、1969年と日本の男子選手が相次いで優勝。

唯一、1人で2度優勝しているのが、日本陸上連盟理事を務める瀬古利彦さんです。

1981年は大会新記録で優勝。

1987年にはソウル五輪を狙う世界の有力選手に競り勝ちました。 

 

そして2018年に優勝したのが、当時埼玉県庁に所属し、「公務員ランナー」として知られた川内優輝選手。

日本選手の優勝は瀬古さん以来31年ぶり8人目でした。

川内選手はその約1年後、プロランナーに転向しています。 

帰国し、ボストン・マラソンのメダルを手に笑顔を見せる川内優輝選手=2018年、成田空港、朝日新聞社

一方、悲しい事件もありました。

2013年4月13日(現地時間)、大会開催中にゴール付近の観客エリアで爆破テロがあり、3人が死亡、260人以上がけがをしました。

逃走した容疑者の身柄が確保されるまで、ボストンの街には厳戒態勢が敷かれました。 

逃走を続けていた容疑者の身柄確保後、爆発があったボストン・マラソン会場の近くに集まり、祈りを捧げる市民ら=2013年、ボストン、朝日新聞社

大会は例年4月に行われますが、2020年はコロナ禍で史上初の中止。

公式サイトによると、2021年はコロナ次第ではあるものの、10月11日の開催を目指すそうです。

ランナーたちはボストンなど大きな大会に目標を定め、練習の負荷や自身の体調を調整します。

無事に開催され、多くの笑顔が見られる大会になるよう期待したいですね。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年4月19日に公開した記事を転載しました)