48年前の1974年4月8日、アメリカ・メジャーリーグの選手だったハンク・アーロンさんが本塁打を放ち、ベーブ・ルースさんが持っていた当時の大リーグ通算本塁打記録714本を抜きました。 

当時の朝日新聞は、「アーロン 715本目 本塁打ルースを抜く」との見出しとともに、こう伝えています。

ハンク・アーロン選手(40)=(米ナ・リーグ、アトランタ・ブレーブス左翼手)は八日夜九時七分(日本時間九日朝十時七分)、ジョージア州アトランタ球場で、ついにベーブ・ルースの大記録を破った。

1974年4月9日付朝日新聞夕刊(東京本社版)

1974年4月9日付朝日新聞夕刊(東京本社版)

アーロンさんはアフリカ系アメリカ人。

当時、白人のベーブ・ルースさんの記録を黒人が塗り替えることに、脅迫の手紙などが届いたといいます。

まさに、人種差別と闘いながらプレーをした強打者でした。 

1974年11月に来日した際のハンク・アーロン選手(中央)=朝日新聞社

42歳で引退し、大リーグ通算本塁打は755本という記録を残したアーロンさん。

2021年1月22日、86歳で亡くなりました。 

 

米国では2020年5月に黒人男性が白人警官に首を圧迫されて死亡した事件をきっかけに、黒人差別への抗議運動「BLM」(Black Lives Matter=黒人の命も大切だ)が再燃しました。

根強く残る人種差別とどう闘うか――。

いまを生きる私たちは、自分事として考えていきたいですね。 

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年4月8日に公開した記事を転載しました)