25年前の1997年4月3日、最高時速500キロの安定走行と実用化をめざした超伝導浮上式リニアモーターカーの本格的な走行実験が山梨県の実験線で始まりました。

走行試験が始まったことを取り上げた当時の朝日新聞の朝刊では、「リニア試験が本格化」の見出しのもと、リニアモーターカーの仕組みについて、「車両に取り付けた超伝導磁石と鉄道のレールにあたるガイドウエーのコイルにそれぞれ電流を流して推進力を生む」と説明。

1997年4月4日付東京本社発行の朝刊

走行試験の様子については「この日は、三両編成の実験車両がタイヤを設置したまま時速一〇八キロまで速度を上げて走った」と伝えています。

超伝導浮上式リニアモーターカー=1997年4月、山梨県、朝日新聞社

実用化が決まった現在は、JR東海が「リニア中央新幹線」の品川―名古屋間の開業をめざして線路やトンネルの建設を進めています。

トンネルがあるのは地下40メートルほどで、神奈川、山梨、静岡、長野、岐阜の各県を通る予定といいます。

ただ、トンネルが通る一部の自治体や住民は、自然環境や住民生活などへの悪影響を懸念して工事を認めていません。

JR東海は2027年の開業をめざしていましたが、遅れる見通しとなっています。

リニア中央新幹線の改良型試験車=2020年10月、山梨県、朝日新聞社

完成すれば、東京・品川と名古屋の間が最速40分で結ばれ、新幹線より1時間ほど移動時間が短くなるとされています。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年4月3日に公開した記事を転載しました)