目次

  1. 首都高の料金改定、3つのポイント 上限料金の値上げも
    1. 上限料金の値上げ
    2. 大口・多頻度割引の拡充
    3. 深夜割引の導入
  2. 阪神高速、中型車・特大車で値上げ
  3. 中京圏は2021年5月に料金改定
  4. 高速道路の通行料金、なぜ値上げ?
  5. バイクでは土日・祝日に割引も

 首都高の料金改定では、次の3つのポイントがあります。

  1. 上限料金の値上げ
  2. 大口・多頻度割引の拡充
  3. 深夜割引の導入

 最も大きな変更点は、上限料金の引き上げです。ETCをつけた普通車の場合、料金の上限額が現在の1320円から1950円になります。

車種区分 基本料金(下限~上限)
軽・二輪 280~1590円
普通車 300~1950円
中型車 330~2310円
大型車 400~3110円
特大車 550~5080円

 首都高速道路では、長距離を走るほど割安となっていたため、都心部を通過する車が、首都高を経由するため渋滞につながっていたといいます。そこで、これまでは35.7キロを過ぎると上限料金としていました。しかし、4月1日からは55キロまで料金が加算される仕組みとなりました。

 最も料金の差が出るのは55キロ超を走った場合で、ETC搭載の普通車は630円増、ETC搭載の大型車は2430円の値上げとなります。

 値上げの影響が物流に悪影響を及ぼさないよう、大口・多頻度割引のメニューが拡充されます。その結果、大口・多頻度割引は、最大35%から最大45%(車両単位最大35%+契約単位10%)まで拡充されます。

これまでの最大割引率 4月1日からの最大割引率
車両単位割引 基本割引 20% 25%
中央環状線の内側を通行しない 5% 10%
契約単位割引 10% 10%
合計 35% 45%

 このうち、車両単位割引の基本割引率は次の通りです。

1カ月のETCコーポレートカード1枚ごとの割引対象額 これまでの基本割引率 4月1日からの基本割引率
5000円超1万円以下 10% 10%
1万円超3万円以下 15% 20%
3万円超5万円以下 20% 25%
5万円超 20% 25%

 混雑している昼間から、比較的交通量が少ない深夜の利用への転換を促そうと、深夜割引も始めます。深夜0時から4時までの間に首都高の入口を通過する車両の料金を20%割引します。ただし、ETC無線通行に限ります。

 詳細は、首都高のドライバーズサイトで確認してください。

 阪神高速は2022年4月1日から中型車と特大車で値上げします。4月1日からはすべての車種の基本料金が、ほかの大都市近郊区間の料金水準並みになります。ETC車での基本料金は次の通りです。

車種 下限料金 上限料金
軽・二輪 280円 1090円
普通車 300円 1320円
中型車 330円(従来は310円) 1410円(従来は1560円)
大型車 400円 2080円
特大車 550円(従来は460円) 3350円(従来は2650円)

 具体的な区間の料金は、阪神高速の公式サイトで確認してください。

 中京圏の高速道路(東名、名神、中央道、東名阪道、東海北陸道、名二環、東海環状道、名古屋高速)は、2021年5月に「高速自動車国道の大都市近郊区間」の料金水準に統一しています。

 たとえば、名古屋高速でETC車の場合の通行料金は次の通りです。

車種 2021年5月1日以降の料金
軽自動車等 290~1110円
普通車 290~1320円
中型車 290~1530円
大型車 300~2010円
特大車 310~3160円

 詳しくは、中日本高速道路の公式サイトで確認してください。

 東日本高速道路、中日本高速道路などによると、高速道路の通行料金が相次いで改定されているのは、これまでは整備の経緯の違いから料金水準や車種区分が異なっていた料金体系が、道路利用距離に応じた料金を徴収する「対距離料金制度」に統一されることになったためです。

 物流への影響や非ETC車の負担増などを考慮して、激変緩和措置が設けられていましたが、その激変緩和措置が2022年3月末で期限を迎えました。

【料金水準】現行の高速自動車国道の大都市近郊区間の水準に統一
【車種区分】5車種区分(軽自動車等・普通車・中型車・大型車・特大車)に統一

 対距離料金制度ができるようになった背景には次のような事情があります。

  • 走行距離のばらつきによる不公平感の拡大
  • 慢性的な渋滞発生や利用頻度の低い区間の存在
  • 利用者の負担に配慮しつつ建設費などの債務償還を進めなければならない
  • ETC車の普及

 一方で、東日本高速道路、中日本高速道路、西日本高速道路、宮城県道路公社は4月2日~11月27日の土・日曜と祝日に事前申請すれば、ETC二輪車の通行料金を割り引いています。割引率は、1回の走行距離が100kmを超える走行を対象に37.5%となります。

 事前申請は、NEXCO中日本「速旅(はやたび)」へ。