7年前の2015年9月1日、アメリカの有料動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」が日本での配信サービスを始めました。

ネットフリックスのプロダクト最高責任者のグレッグ・ピーターズ氏=2018年3月28日、東京都港区、朝日新聞社

配信内容で目をひくのは、世界で活躍する有名俳優らを起用した自主制作作品の多さ。アメリカで話題のドラマや、ネットフリックスでしか見られない本格ドラマが豊富です。2016年には、芥川賞を受賞した又吉直樹さんの小説「火花」をドラマ化した作品が配信されました。

 

2015年9月3日朝日新聞朝刊(東京本社版)の記事では、ネットフリックスはアメリカで巨額の利益を稼ぐ一方、アメリカ以外ではトータルで赤字であることに触れ、「2016年には世界で50億ドル(約6000億円)を作品制作などに投じるというが、こだわる独自作品が日本の利用者に受け入れられるかどうかが試金石になりそうだ」と伝えています。

日本でサービス開始したことを伝える2015年9月3日朝日新聞朝刊(東京本社版)

上陸当初は日本での利用者増は未知数と見られていたネットフリックス。しかし、若い世代はスマートフォンでの動画視聴に抵抗がないことなどから、有料で動画を見る習慣が定着。日本のテレビ業界にも大きな影響を与えました。

 

日本で人気を集めたのは、2019年8月に配信されたアダルトビデオ(AV)の村西とおる監督の半生を描いたドラマシリーズ「全裸監督」です。

「全裸監督」は世界中で配信された=2019年9月6日、東京で開かれたネットフリックスの発表会、朝日新聞社

俳優の山田孝之さんが主演を務め、世界190カ国・地域に28言語で配信され大ヒットしました。2021年6月からはシーズン2の配信が始まりました。

 

2021年1月21日朝日新聞朝刊(東京本社版)では、2020年末段階の全世界の有料会員が2億366万人に達したと伝えています。

全世界の会員数が2億人を突破したことを伝える2021年1月21日朝日新聞朝刊(東京本社版)

コロナ禍による「巣ごもり需要」で会員数が急増。2020年の1年間の会員の増加数は過去最高の3700万人に達しました。

 

日本発の独自作品「今際の際のアリス」は2020年12月10日に全世界向けに配信がスタート。世界で1800万世帯が視聴し、日本初の実写の独自作品としては過去最大の視聴者数を記録しました。韓国や台湾などアジアだけでなく、フランス、ドイツ、ジャマイカなど世界約40の国と地域で視聴回数トップ10に入りました。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年9月1日に公開した記事を転載しました)