目次

  1. 国産イグサにこだわって
  2. 最初は酒蔵の蔵人に
  3. 東日本大震災を機に家業へ
  4. 畳離れが進んでいるのを痛感
  5. SNSで家業の仕事を発信
  6. 薄利多売からの脱却を目指す
  7. 「モダン乱敷き畳」に挑戦
  8. 地元のマルシェにも出店
  9. 業界をもり立てるために

 大庭畳店は1980年、畳職人だった大庭さんの父が独り立ちして創業。県南部を中心に、住宅などの畳を作ったり張り替えたりしてきました。

 父は国内販売で主流となっている中国産のイグサの畳を使っていましたが、大庭さんが国産のイグサに切り替え、現在の主力商品となっています。

 大庭さんは「中国産は乾燥させて水分がない状態で輸入されるので、擦り切れに弱いんです。国産は乾燥させずに仕入れることができるため、ほどよく水分が含まれ、しなやかで丈夫な畳に仕上がります」と言います。

 現在、年間約700~800枚ほどの畳を作り、企業や個人に販売しています。

 子どものころの大庭さんは弟と作業場で遊んでいましたが、家業を継ごうとは考えていませんでした。

 「父は心の中では継いでほしい思いがあったようです。でも、畳の需要が減っている中で無理強いしたくはなかったそうで、後を継ぐようにと言われたことは一度もありませんでした」

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