目次

  1. 1927年創業の老舗、多品種・受注生産に強み
  2. 原料価格・労務費……将来に控えるリスク
  3. ソーシャルゲーム運営を経験し家業へ
  4. 困っている印刷会社に頼まれ新製品を開発
  5. 具体的な使い道探し展示会へ
  6. Twitterを活用 ターゲット市場とニーズを絞り込む
  7. 改善要望から生まれたメッキ塗装
  8. 動画がバズって潮目が変わる
  9. ソーシャルゲーム運営で学んだユーザーコミュニケーション

 斎藤塗料は1927年(昭和2年)創業の塗料メーカーで、主にPCやデジカメ、カーナビなどの金属部品の下地塗料(素材と上塗りの間に塗る塗料)を製造しています。取り扱う製品は1000種以上に及び、受注生産で培ってきた製品開発力を強みとしています。

 「幅広い品種があるため、取り扱う企業も多く、特定業界の好不調に業績が左右されにくいのが強みです」

 斎藤塗料の5代目、菅彰浩さんはこう語ります。

 「斎藤塗料は経営状態の悪化といった差し迫った問題はありませんでした。ですが順風満帆だった訳ではなく、原料原価の高騰や労務費の増加による営業利益の圧迫、銀行からの借入返済など、将来に向けて手を打つ必要がありました」

 特に斎藤塗料の製品はBtoB製品の中でもスペックイン(自社製品が採用されること)するのに時間がかかります。結果、20年前の売れ筋商品に頼り続けるということもありました。

 「少量多品種生産に対して工場の生産力にも限りがあるため、新商品があっても製造する余裕が無い点も課題でした。化学工場なので24時間稼働させることはできないですし、土日も近隣の影響があるので」

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