もうすぐ新年度。目標に近づくために知ってほしい「自分との向き合い方」
「在宅勤務だと怠けてしまう」「新しく配属されたチームで、同僚とうまくやるにはどうすればいいの」「やるべきことを先延ばしする癖を直したい」――。そんな悩みを抱える若手ビジネスパーソンに向けて、行動習慣コンサルタントの冨山真由さんが、仕事と人間関係に役立つ習慣づくりのコツをお伝えします。
「在宅勤務だと怠けてしまう」「新しく配属されたチームで、同僚とうまくやるにはどうすればいいの」「やるべきことを先延ばしする癖を直したい」――。そんな悩みを抱える若手ビジネスパーソンに向けて、行動習慣コンサルタントの冨山真由さんが、仕事と人間関係に役立つ習慣づくりのコツをお伝えします。
こんにちは。
行動習慣コンサルタントの冨山です。
この2年間のコロナ禍は、私たちの仕事や日常生活のあり方を大きく変えました。
新しい働き方や不自由な暮らしに対応することは、決して簡単ではなかったはずです。
「やりたいことができなかった」「せっかくの計画が台無しになってしまった」――。
そんな方も多くいらっしゃると思います。
環境が変わって自分と向き合う時間ができた方もいる一方、変化への対応に追われ、やりたいことを考える余裕などなかった方もいるでしょう。
そしてまもなく新年度が始まります。
会社や学校など、新たな環境での生活が始まる人も。
また、「今年度はこんな目標を達成したい」「こんなことにチャレンジしたい」と、始まりの季節を機に様々な目標を立てる人も多いはずです。
変化の慌ただしさから、これまで自分と向き合えなかった方も、ここでいったん仕切り直し。
これから何をやりたいか、自分の本来のあるべき姿は何か、を改めて考えてみましょう。
今回は行動科学セルフマネジメント式の「自分との向き合い方」についてお話しします。
自分と向き合う際に注意したいのが、「やりたいこと」と「やらなければならないこと」を混同しない、という点です。
そんなことにはならない、とお思いの人もいらっしゃるかもしれません。
でも、私が研修などで様々な会社の若い世代のビジネスパーソンを見ていると、この2つの区別がつかなくなり、息苦しさを感じている人がとても多いのです。
当たり前のことですが、人はやりたいことばかりをして生きているわけではありません。
やらなければならないことをこなし、その上でやりたいことをやるわけです。
しかし、これらがゴチャゴチャになると、「会社で自分がやらなければならないことは、自分のやりたいことではない。会社を辞めます」なんて極端な発想になってしまうわけです。
やらなければならないことをやることで会社の業績が上がり、ひいては自分のやりたいこともできるようになる――。
そう考えれば、上のような発想はとてももったいない!
そこで、今の自分の「やりたいこと」と「やらなければならないこと」をはっきりと区別しておきましょう。
やり方は簡単。
それぞれを紙に書き出して目に見える形にする(可視化する)のです。
そして「やらなければならないことがやりたいことに連動する」点を認識しましょう。
例えば、会社でやりたいことが「お客様の笑顔が見たい」で、やらなければならないことが「メンバーのマネジメント」だとします。
この場合、自分の毎日のマネジメントが会社をより良くし、お客様の笑顔につながるわけです。
「自分のやりたいことは、やらなければならないことによってもうやれているんだ」と前向きな気持ちになれるはずです。
「自分にはやれる」「自分はやれている」という達成感、自己効力感が、目標達成に向かう自分の背中を押してくれるでしょう。
みなさんは毎日の仕事をする中で、あるいはネットやSNS、読書、勉強を通じ、多くの情報をインプットしていると思います。
でも、それらの知識や情報をアウトプットする機会はあるでしょうか?
私の知る若い人たちの中にも、とても勉強熱心で様々な知識・情報をインプットし、自らを磨いている人がたくさんいます。
しかし、蓄積したそれらの知識・情報を誰かに披露することはあまりないのです。
もちろん「人に披露するためのインプットではないから」と言われればそれまでです。
でも「インプットしたものを本当に自分のものにする=学びとする」には、誰かに伝えること、つまりアウトプットがとても有効なんです。
かくいう私も、インプットしてきた行動科学やビジネスの知識を「人に教える」ことによって、自分の学びにしている実感があります。
知識や情報の蓄積が進んだと感じたら、ぜひそれを誰かに伝える機会を設けていただきたいと思います。
最近ではリモートワークが一般的になり、仕事に必要な事柄しかオンラインで伝え合う機会がありません。
そんな今だからこそ、あえてアウトプットの場を設ける工夫をしてみて下さい。
手に入れた学びは、自分の中で咀嚼(そしゃく)して、自分発の情報として誰かとシェアする。
もちろんSNSでも構いません。
アウトプットすることで「本当の自分」がつくられることを実感して下さい。
これまでのビジネスシーンでは、現場にマネジャーがいて、自分は管理され、評価されることが当然でした。
しかし、その構図はこの2年間で大きく変わりました。
自分で自分を管理しなければならない「セルフマネジメントの時代」では、自分を評価するのも、自分自身の役目です。
つまり「自分が自分のマネジャーになる」ということですね。
この視点に基づき、自分と向き合っていただきたいのです。
「セルフマネジメントは大変。めんどくさい」と思わないで下さい。
他者や環境に左右されるのではなく、自分と向き合い、自分を知り、自分が自分を管理し、評価し、改善点を見出し、さらにバージョンアップした自分になれるのです。
自分が自分の舵(かじ)を取れることの喜びや、ワクワクする気持ちを味わって下さい。
それがセルフマネジメントの素晴らしさであり、これからはそんな素晴らしい時代になるはずです。
これからのあなたが、上手に自分と向き合い、様々な目標(ゴール)を達成できますように!
(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2022年3月8日に公開した記事を転載しました)
おすすめのニュース、取材余話、イベントの優先案内など「ツギノジダイ」を一層お楽しみいただける情報を定期的に配信しています。メルマガを購読したい方は、会員登録をお願いいたします。
朝日インタラクティブが運営する「ツギノジダイ」は、中小企業の経営者や後継者、後を継ごうか迷っている人たちに寄り添うメディアです。さまざまな事業承継の選択肢や必要な基礎知識を紹介します。
さらに会社を継いだ経営者のインタビューや売り上げアップ、経営改革に役立つ事例など、次の時代を勝ち抜くヒントをお届けします。企業が今ある理由は、顧客に選ばれて続けてきたからです。刻々と変化する経営環境に柔軟に対応し、それぞれの強みを生かせば、さらに成長できます。
ツギノジダイは後継者不足という社会課題の解決に向けて、みなさまと一緒に考えていきます。