今年の目標を達成するために。考え方や習慣で「今やめるべきこと4選」
「在宅勤務だと怠けてしまう」「新しく配属されたチームで、同僚とうまくやるにはどうすればいいの」「やるべきことを先延ばしする癖を直したい」――。そんな悩みを抱える若手ビジネスパーソンに向けて、行動習慣コンサルタントの冨山真由さんが、仕事と人間関係に役立つ習慣づくりのコツをお伝えします。
「在宅勤務だと怠けてしまう」「新しく配属されたチームで、同僚とうまくやるにはどうすればいいの」「やるべきことを先延ばしする癖を直したい」――。そんな悩みを抱える若手ビジネスパーソンに向けて、行動習慣コンサルタントの冨山真由さんが、仕事と人間関係に役立つ習慣づくりのコツをお伝えします。
こんにちは。
行動習慣コンサルタントの冨山です。
2022年のスタート。
「今年はこれを実現させるぞ!」と新たな目標を立て、やる気に満ちている人も多いことでしょう。
今回は1年の始まりにあたって、ストレスを感じることなく目標に近づくための行動科学的なセルフマネジメントのポイントをお伝えします。
あなたの目標達成のために、「今やめるべき4つのこと」です。
まずお伝えしたいのは「100か0かで物事を捉えることをやめる」です。
例えば仕事においても、生真面目な人はいつも“完璧”を目指してしまいます。
「この仕事は成功した(失敗した)」「売上目標に達した(達しなかった)」など、白か黒かで結果を見てしまいます。
白は100、黒なら0。
0であれば「自分は何もできなかった」と落ち込んでしまうわけですね。
でも、実際の結果は白か黒、100か0の2つしかないわけではありません。
15までは達成した、80までは達成した、というように、グレーなものと言えます。
「100に達しなかったから0」ではなく、例えば15進んだことを自分で評価してあげて、残りの85をいかに行動して埋めていくかを考えればいいのです。
私の専門分野である行動科学セルフマネジメントでは、「日々の仕事は80%の力で!」を推奨しています。
毎日100%の力を出して仕事をしていても、長続きしませんよね。
疲れ切ってしまい、バーンアウト(燃え尽き)してしまう、という人も多いのです。
私自身もかつては「何でも完璧にやらなきゃ!」と気負い、その結果、体調を崩してやりたいこともできなくなった、なんてことがありました。
物事は100か0じゃない。
完璧を求めない。
ちょっとずつ目標に近づいていきましょう。
仕事やプライベート、いろんなコトに不安を感じてしまう――。
これも大きなストレスですよね。
ここでちょっと考えていただきたいのは、いつも自分はどんなことに不安を感じるのか、ということです。
「ああ、あのときこんなことしちゃった、どうしよう」
「もっとこうしておけばよかったのに」
「明日また課長に怒られるかも」
「来週のミーティング、ちゃんと意見が出せるか不安だな」
「将来、お金で苦労するんじゃないかなあ」
などなど。
多くの場合、人が不安を感じ、感情を振り回されるのは「過去のこと」か「未来のこと」です。
もう過ぎてしまったこと、まだ起きてもいないことに意識が向いて、ストレスになってしまうわけですね。
だから、不安や感情の乱れから逃れるためには、過去でも未来でもなく、「今」に意識を向ければいいのです。
とはいえ、「今、この瞬間に集中するぞ」と強く念じても、なかなかその通りにいくものではありませんよね。
そこで、過去や未来に気を取られずに「今」に集中するための簡単なアクションがあります。
それは「深呼吸」。
どうしよう、不安だなあ、といった気持ちにさいなまれたときは、ゆっくりと深呼吸を5回ほど繰り返します。
そして「今、自分は○○をしている……」と、今現在の自分の状況を確認します。
人間は心配や不安を感じているときには、交感神経が優位に働いています。
リラックスするには副交感神経を優位にしなければなりません。
深呼吸はそのために、誰にでもできるアクション。
不安な気持ちになったら、まずは深呼吸5回、です。
やらなければならない作業があるのに、始める気にならない――。
つい先延ばしにしてしまい、作業時間が足りなくてバタバタに――。
そんなことで後悔するのは、もうやめにしたいですよね。
なぜ始められないのか?
なぜつい先延ばししてしまうのか?
それは“めんどくさいから”にほかなりません。
この“めんどくさい”という思いは、その人が怠け者だから生まれてくるものではありません。
作業終了までにかかる労力や時間が大きいと想像すれば、人は誰しも精神的な負担を感じます。
これが“めんどくさい”の正体です。
そして一度そんな精神的な負担を感じてしまうと、なかなか前向きな行動に移れなくなります。
これが「始められない」「先延ばししてしまう」の原因です。
ですから、先延ばしを防ぐには、精神的な負担を感じる前に、とにかく行動してしまえばいいわけです。
ポイントは、すぐに、簡単に始められる「小さな行動」であること。
例えば資料づくりの仕事があるなら、まずは「PCの資料作成ソフトを立ち上げる」「タイトルだけ入力してみる」なんてことで構いません。
散らかったデスク周りを整理しなければならないなら、まずは「本を本棚に戻す」など。
労力や時間がかからず、“めんどくさい”という気持ちが生じる余地のないほどの、確実にできる行動から始めてみましょう。
前回のコラムで、自分に対して「ありがとう!」を言うことで、自身に達成感や自己効力感を与え、さらなる行動へと背中を押す「言語プロンプト」について触れました。
自分の発する言葉を自分の脳が認知し、自分を動かします。
ということは、普段どんな言葉が口癖になっているかは、とても重要な問題ですよね。
「よし、やるぞ!」「さあ始めよう!」などの言葉を仕事開始の口癖にすれば、小さな行動をすぐに始めるという習慣が身につくわけです。
でも、現実には「明日こそ!」ばかり言っている人も多いのでは?
どんなに固く決意したつもりでも、何かを先延ばしするたびに「明日こそ!」なんて言っていると……。
この場合も「言語プロンプト」の効果が出てしまいます。
自分の脳が「明日こそ(やればいい)」と認識してしまうわけです。
これでは先延ばし癖を助長するだけ。
「明日こそやるぞ!」が口癖になっている人は、気をつけましょう。
まとめると、
1. 物事を100か0で捉えるのはやめて、完璧を求めず80%主義で!
2. 過去や未来にフォーカスして不安を感じるのはやめて、「今」に集中!
3. 小さな行動から始めることで、先延ばしの後悔をやめる!
4. 「明日こそ!」の口癖をやめて、自分を「すぐやる人」に変える!
どれも精神力や強い意思が必要なことではありません。
ちょっとしたストレスマネジメントで、2022年を充実した1年にしましょう!
(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2022年1月27日に公開した記事を転載しました)
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