燃料油価格激変緩和対策とは ガソリン価格の急騰抑制へ補助金
燃料油価格激変緩和対策とは、ガソリン価格の全国平均が1リットルあたり170円以上となったときに、政府が価格抑制のために1リットルあたり35円を上限に石油元売りなどに支給する制度です。資源エネルギー庁が2021年1月27日から発動しました。価格抑制の仕組みやいつまでなのかなど詳細を整理しました。
燃料油価格激変緩和対策とは、ガソリン価格の全国平均が1リットルあたり170円以上となったときに、政府が価格抑制のために1リットルあたり35円を上限に石油元売りなどに支給する制度です。資源エネルギー庁が2021年1月27日から発動しました。価格抑制の仕組みやいつまでなのかなど詳細を整理しました。
燃料油価格激変緩和対策は、コロナ禍で高騰している原油価格が経済回復の重荷にならないことを目的に、石油元売・輸入事業者に価格上昇を抑える原資を支給して、ガソリンなどの小売価格の急騰を抑えることをねらった補助金です。
資源エネルギー庁は特設サイトで「ガソリンなどの小売価格の急騰を抑えるために行うもので、値下げを目的とするものではありません」と説明しています。
1月24日時点のガソリン価格の全国平均が1リットルあたり170円以上となったため、1リットルあたり5円を上限に発動し、3月7日の週からは上限を25円に拡充しました。さらに4月下旬にまとめた物価高騰への緊急対策で、168円を超えた分を補助金の上限を25円から35円に引き上げ、35円を超えた分は2分の1を補助することにしました。
石油情報センターによると、6月13日時点のレギュラーガソリン価格の全国平均が1リットルあたり171.2円。2020年春ごろから価格の上昇傾向が続いています。
ガソリン価格の高止まりにはいくつかの要因があります。
元となる原油価格は、1月21日にニューヨーク原油市場(WTI)で1バレル=87ドル台の高値と7年ぶりの水準まで上昇しました。
OPEC(石油輸出国機構)とロシアで構成されるOPECプラスは2022年末までの原油の減産延長で合意しています。このほか、円安傾向が続いていることも影響しています。これに加えて、ロシアによるウクライナ侵攻により高騰に拍車がかかってきました。
帝国データバンクは、急な原油価格の上昇にガソリンスタンドは価格の転嫁が追いつかず、収益力に厳しさが表れていると指摘しています。
6月16日~22日の補助金の支給単価は、ガソリン、軽油、灯油、重油1リットルあたり41.4円です。
対象の油種は、ガソリン、軽油、灯油、重油の4種類です。
2022年1月27日に初めて発動されました。2021年度補正予算の事業のため、期限は最長でも3月末までとなりますが、岸田首相は2月25日の記者会見で、大幅に拡充する予定があることを明らかにしました。
参加企業は、出光興産、ENEOS、キグナス石油などです。参加企業一覧は、資源エネルギー庁の特設サイトで公開しています。
燃料油価格激変緩和のための補助金は、元売り各社の卸価格を抑えることで、最終的に小売価格を抑えることをねらっています。元売り各社は卸売価格から補助金分を引くことを表明しています。ただ、小売価格は、全国のガソリンスタンドが輸送費や利益も考慮するため、どれぐらい効果が出るかは不透明です。
資源エネルギー庁は「全国の小売価格の推移を各地の団体などと連携して調査し、価格が抑制されているかモニタリングを実施します」と説明しています。
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