就職企業人気ランキング、どう変化した? 過去10年の動きを見てみると
文字だけではイメージしにくい統計やデータを、グラフィックと組み合わせて伝えます。1回目は、「就職企業人気ランキング」です。
文字だけではイメージしにくい統計やデータを、グラフィックと組み合わせて伝えます。1回目は、「就職企業人気ランキング」です。
学生の就職活動が始まる時期に合わせ、就職情報会社各社が独自に調査して発表している人気企業ランキング。
過去10年ほどのランキングを追うと、どんな傾向が見えてくるのか。今回は、1978年から調査を実施している就職情報会社「マイナビ」の「就職企業人気ランキング」の上位10企業を、グラフにまとめてみました(「11位」として表示されているのはランキング外を意味します)。
とくに文系では、国内大手航空会社のANAと、旅行業界最大手のJTBの継続的な人気の高さが際立っています。2010年に経営破綻したJALも、人件費削減のため2011年卒と2012年卒の新卒採用を見送っていましたが、2013年卒から再開。その後、2014年卒から上位10位にランクインするなど、堅実に人気を集めていました。
ところが、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大で多くの企業が大きな影響を受けました。国内外の移動の自粛が求められたことで、特に航空・旅行業界は業績が悪化。2021年卒の学生に2019年12月から2020年3月にかけて聞いた調査で人気1位だったJTBは、2020年11月に2022年卒の新卒採用の見送りを決定しました。
ANAとJALも新型コロナ感染拡大後、2021年卒の採用人数を減らしたうえ、2022年卒の新卒採用人数を大幅に減らすことを決めています。
景気の動向や企業の経営状況をリアルに反映するこのランキング。2022年卒の学生の関心はどんな業界に向かうのか――。
就職情報サービス会社「学情」が2020年12月に発表した調査では、航空・旅行業界が順位を下げる一方、トップは伊藤忠商事で、2位に味の素、3位にアサヒ飲料がランクインしており、「『巣ごもり消費』を牽引する食品メーカーの人気は堅調」としています。
新型コロナによって働き方もライフスタイルも一変したいま、将来を見据えた学生たちの動向に注目が集まっています。
(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年3月29日に公開した記事を転載しました)
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