新型コロナで企業の雇用意欲はどう推移した? 業種別に比べてみると
文字だけではイメージしにくい統計やデータを、グラフィックと組み合わせて伝えます。今回は、「業種別でみる新規求人数の変化」です。
文字だけではイメージしにくい統計やデータを、グラフィックと組み合わせて伝えます。今回は、「業種別でみる新規求人数の変化」です。
「新規求人」というと、かたく聞こえるかもしれませんが、ハローワークで新たに受け付けた求人数(採用予定人員)のことで、企業の「雇いたい」という意欲を示す指標とされています。
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた2020年2月~2021年3月の新規求人数を比べてみると、どんな傾向が見えてくるのか。厚生労働省が毎月とりまとめている、ハローワークでの求人の状況を業種別にグラフにしてみました(新規学卒者を除く、パートタイム含む、原数値ベース、単位は人)。
全体的な傾向として、初めて緊急事態宣言が発出された2020年4月の落ち込みが目立ちます。新型コロナの感染拡大で、移動の自粛や時短営業などを求められたことを受け、特に宿泊・飲食サービス業では2020年2月に比べ、2021年2月は41%減少。しかし、2021年3月の新規求人数は2021年2月より19,869人増加。2020年3月に比べ、6%減少ではあるものの、持ち直しています。
2020年3月に比べ、2021年3月で10%以上減少しているのは、生活関連サービス業・娯楽業(14.8%減少)、卸売業・小売業(12.6%減少)、情報通信業(11.0%減少)でした。
一方で、増加している業種もあります。建設業では、2020年3月と2021年3月を比べると、16.3%増加。製造業も8.5%増加しており、雇用意欲が高まっていることがわかります。
大都市圏を中心に新型コロナの感染拡大は収束しておらず、今後も対面型の業種に影響が続くかもしれません。リモートワークやステイホームに関連した業種の動向にも注目していきたいですね。
(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年5月5日に公開した記事を転載しました)
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