目次

  1. 子どもが生まれて決めた、新潟へのUターン
  2. 売上の伸び悩み テレビショッピングで打開
  3. 試行錯誤の末、クラウドファンディングで成功
  4. 巣ごもり需要が追い風 売上高は過去最高に
  5. 海外への本格展開が目標「越境ECや実店舗も」

 金属加工を中心としたものづくりの街として、古くから栄えた新潟・燕三条。アーネストは1981年、鈴木さんの父・邦夫さんが創業しました。

 創立10周年を機に、当初の「アイホー総業」から「アーネスト」に社名変更。自社工場を持たない「ファブレスメーカー」の強みを生かし、カテゴリーにとらわれない商品を開発してきました。調理器具から、「にこにこパンチ」「おむすびニャン」などのお弁当グッズ、洗濯・掃除用品まで、商品群は多岐にわたります。従業員数は70人余りです。

アーネストのデコ弁制作セット「おむすびニャン」で作ったお弁当

 創業家に生まれた鈴木さんですが、「会社を継ぐ思いは特になかった」と昔を振り返ります。学生時代は北海道の温泉やホテル、スキー場などでアルバイトを経験。稼いだお金で北海道を周遊するなど、学生生活を満喫したそうです。その後、すぐには就職しませんでした。

 「沖縄・西表島のユースホステルで、しばらく過ごしていました。お金が尽きた頃、夏は石垣島のリゾートホテル、冬は白馬のスキー場で働くという感じで、アルバイトを転々としていましたね」

 やがて、そろそろ何か始めようと父に相談しました。すると「これからは中国が伸びる。勉強してこい」と言われ、中国の大学へ留学することに。

 しかし、30年前の中国は現在のようなIT先進国ではなく、不便な生活を強いられたといいます。4年間の留学生活を続けることに限界を感じた鈴木さんは、1年で帰国を決めました。

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