目次

  1. 不用品がお金に ネット古書店を開業
  2. 震災きっかけ「訳あり」商品を主力に
  3. 実店舗「222」誕生 真っ暗な店内で……
  4. 父とは別の道で「何か新しいことを」
  5. 親子を引き合わせたコロナ禍の東京進出
  6. 父の「むちゃぶり」で養う諦めない気持ち
  7. 経営者の条件と2代目が背負うもの

 ガットリベロの前身は、社長の伸也さんが2005年に立ちあげたネット古書店「かっぱ堂」です。事業を始めたきっかけは、自宅にあった思い入れのある蔵書をネットオークションに出品したことでした。あっという間に売れ、購入者は喜びのコメントを残してくれたのです。

2022年4月20日にオープンした「222芸濃店」(三重県津市)のオープニングセールの様子

 自分にとっての不用品が、必要とする人に届いて喜ばれ、お金になる――。ネットビジネスに可能性を感じた伸也さんは、自宅を拠点に「かっぱ堂」を開きました。実店舗で安く買い集めた古本を、ネットで販売する事業です。

 ある程度のお金がたまると、築年数の古い建物を借りて事業所に。古本に加え、中古のCDやゲームソフトも扱うようになりました。一定の資金がたまるたび、少しずつ大きな建物に引っ越しました。

 激安アウトレット店という現在の事業モデルに転換したのは2011年です。2015年には商号をガットリベロに変更。2018年に初の実店舗を出して以来、4年間で滋賀・京都・大阪・三重・神奈川の5県に8店舗を展開。パート・アルバイトを含めた従業員数は120人にのぼります。

 激安アウトレット店の事業はどのように生まれたのでしょうか。きっかけは、2011年の東日本大震災でした。被災した知人から、地震の影響で落下した商品を買い取ってほしいと頼まれ、「かっぱ堂」でネット販売したのです。

オープニングセール中の「222芸濃店」の店内

 これを機に縁が広がり、過剰在庫やネット通販で返品された商品、パッケージに傷があったり賞味期限が近かったりで一般の店では販売できない品々を買い取る機会が増えました。伸也さんはショックを受けると同時にビジネスチャンスを見いだします。

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