目次

  1. 昭和初期の食堂から料亭へ
  2. 女性が楽しめる料亭 きっかけは20年前
  3. コロナ禍で失った団体客 利用シーン考えたメニュー開発
  4. 強みは柔軟さとスピード感 新メニュー次々
  5. まかないがヒント 「和」のサンドイッチが人気沸騰
  6. テイクアウトがもたらした新規顧客の開拓

 1926年に食堂として始まったは戦後、高度経済成長期にかけて需要が多かった本格的な日本料理を中心とした「料亭」へと変貌をとげました。

福富の店内

 特徴は、料亭ながらも、茄子の田楽など創業当時から変わらない素朴な味。地元では、家族代々で来る客も多く、誕生日や還暦などのお祝いから法事など、中には三世代にわたって利用する人たちもいます。

 一方で、近年は女性を意識したコースメニューや料理の品が豊富で、「女性でも楽しめる料亭」としても地元では人気です。

 創業4代目にあたる小川祐美子さんは、東京都内のデザイン系の大学を卒業後に秋田市のデザイン会社へ就職。今から約20年前に福富へ戻り、31歳で調理師学校に通い始め、料理の道に進みました。

小川祐美子さん

 当時は、全国的にも地方の料亭の売上の一部を支えていた「官官接待」が禁止になったほか、料亭を多く利用していた地元企業も倒産するなど、それまでの料亭が抱えていた顧客層とは違ったニーズの掘り起こしが求められた時代でした。

 そのような時代の流れの中、女性を意識したメニュー作りを始めたのは、小川さんが福富へ戻った当初の約20年前。たまたま母親と食材の買い出しに行って商品を選んでいる際に「女性が入りやすい料亭がない」ことにふと気づき、それまでの男性をターゲットにした献立から、女性を意識した構成に変えていきました。

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