目次

  1. 初対面で感じた「緊張」 詳しく聞いてみると……
  2. いじめ・吃音 生きがいだった「絵」
  3. 好きな特技、会社に生かせないか
  4. 好きな特技をCSRへ 会社も支援
  5. 町内へ 広がる展示
  6. 個人の得意が企業価値の向上にも
  7. ガキビズとは

 1988年創業の「太陽建材」は、岐阜県輪之内町にある建築・内装仕上げ工事の現場管理及び施工を行う地域密着の会社です。創業者で代表取締役社長の息子である土井田一将さん(35)が取引先の金融機関の担当者とともに今後の販路開拓につながるビジネスアイディアを求めガキビズへ相談に訪れました。

創業者の土井田直社長(右)と一将さん

 土井田さんが初めて相談に訪れたのは2021年1月、相談日の延期を希望してもおかしくないほど雪が降る日でした。最初に感じたのは、自分から話を切り出すことがあまりなく「緊張している」という印象でした。

 30歳過ぎてから家業に入ったこともあり、一般社員である土井田さん。丁寧に話を聞くことで見えてきたのは、会社の販路開拓を相談したいという以上に、自身が何か会社のためにできないかという思いでした。

 そのため、会社の事業内容や得意とすることはもちろんですが、土井田さん自身の経歴や趣味・特技、家業に戻ったきっかけなどにも焦点を当てて話を聞きました。

 自ら話してくれたのは、学生の頃の「いじめの経験」、言葉が円滑に話せない「吃音」という症状があることでした。私が、土井田さんに出会ってすぐに持った「緊張している」という印象は、初めて会った人と話すときに余計に出る「吃音」の症状ゆえなのだとここで気付きます。

 それからゆっくり自分のペースで話してもらえるよう伝えると、焦ることなく自身のことを積極的に話してくれるようになりました。

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