目次

  1. オフピーク定期券とは
  2. オフピーク定期券と通常の定期券の違い
  3. グリーン定期券・FREXどうなる?
  4. オフピーク定期券、いつから?
  5. オフピーク定期券の対象区間
  6. 駅ごとに異なるオフピーク対象外の時間帯
    1. 山手線沿線のピーク時間帯(いずれも平日午前)
    2. 中央線快速停車駅のピーク時間帯(いずれも平日午前)
  7. 通勤定期代の例
  8. 国土交通省がオフピーク定期券でパブリックコメント実施

 オフピーク定期券とは、通勤ラッシュ時の電車利用を首都圏の朝のピーク時間帯前後にシフトすることを目的に、JR東日本が2023年3月からの発売を準備している定期券のことです。次の5つの特徴があります。

  • 平日のピーク時の90分以外は定期券として利用できる
  • これまでより約10%値下げ
  • ピーク時は別途、IC普通運賃が必要
  • 利用時間の判定は入場時(ピーク時間帯は駅ごとに設定予定)
  • 私鉄・地下鉄にまたがる定期券も利用できる見込み

 ただし、通学定期券にはオフピーク定期券の設定はありません。

オフピーク定期券と通常の定期券の違い

 通常の定期券は、オフピーク定期券と違って追加費用なく終日利用できる一方、東京の電車特定区間内で完結する通常の通勤定期運賃は、いまより約 1.4%値上げとなる見込みです。

 JR東日本は「通常の通勤定期券は若干の値上げすることで、全体として増収とならないという想定のもと定期運賃に価格差を設けた」と説明しています。

 グリーン定期券・FREX(東京~大宮・東京~新横浜間等)にオフピーク定期券の設定はありません。ただし、通勤定期運賃と料金相当額の合算額であるため、通常の通勤定期運賃が値上げとなるため、いすれの価格も値上げとなります。

 JR東日本は、2023年3月にオフピーク定期券を発売開始し、運賃改定できるよう準備を進めています。2022年9月16日に、国土交通大臣に通勤定期運賃の変更認可申請を出しました。

 JR東日本によると、オフピーク定期券の対象は、東京の電車特定区間内完結となる区間と説明しています。

 具体的には、JR東日本の公式サイトに掲載された図が参考になります。

オフピーク定期券が設定される区間。東京駅を中心に、大宮(埼玉県)、取手(茨城)、千葉・千葉みなと(千葉)、久里浜・羽沢横浜国大(神奈川)、奥多摩・高尾(東京)までがオフピーク定期券の対象エリア。JR東日本の公式サイトから引用 https://www.jreast.co.jp/

 ピーク時間帯は駅によって異なり、各駅で1時間30分ずつ設定します。利用時刻の判定は改札口の入場時で、出場時の時刻は関係ありません。各駅のピーク時間帯は、すでに実施済みの「オフピークポイントサービス」のピーク時間帯を基本としてする予定だといいます。

 JR東日本の公式サイトをもとに、ピーク時間帯の例を紹介します。オフピーク定期券を使う場合はこの時間帯の入場を避ける必要があります。

  • 目黒・五反田・田端・駒込・巣鴨:7:15~8:45
  • 渋谷・恵比寿・田町・上野・西日暮里:7:20~8:50
  • 秋葉原・御徒町・鶯谷・日暮里・大塚・目白・高田馬場・新大久保・高輪ゲートウェイ:7:25~8:55
  • 池袋・新宿・原宿・大崎・品川・新橋・有楽町・東京:7:30~9:00
  • 浜松町:7:35~9:05
  • 神田・代々木:7:40~9:10
  • 高尾・西八王子:6:25~7:55
  • 八王子・豊田:635~8:05
  • 日野:6:40~8:10
  • 立川:6:45~8:15
  • 国立・西国分寺:6:50~8:20
  • 国分寺・武蔵小金井:6:55~8:25
  • 東小金井・武蔵境:7:00~8:30
  • 三鷹:7:10~8:40
  • 吉祥寺・西荻窪:7:15~8:45
  • 荻窪・阿佐ケ谷:7:20~8:50
  • 高円寺:7:25~8:55
  • 中野・新宿・東京:7:30~9:00
  • 四ツ谷・御茶ノ水・神田:7:40~9:10
今後見込まれるオフピーク定期券と通常の定期券の価格差

 通常の通勤定期券・オフピーク定期券の発売額に、都市部で利用者の薄く広くバリアフリー化への負担を求める「鉄道駅バリアフリー料金」(1ヵ月280円、3ヵ月790 円、6ヵ月 1420 円)を加算します。

 JR渋谷・横浜駅を例に、定期代がどれぐらい変わるか、事例を紹介します(鉄道駅バリアフリー料金加算後、単位は円)。東京周辺に事務所を構える企業にとっては、オフピーク定期券に切り替えると、通勤手当を1割程度減らせます。

区間 1ヵ月(改定前) 改定後の通常定期券(1ヵ月) 改定後のオフピーク定期券(1ヵ月) 3ヵ月(改定前) 改定後の通常定期券(3ヵ月) 改定後のオフピーク定期券(3ヵ月)
渋谷ー新子安・東神奈川・横浜 11,850 12,290 10,940 33,790 35,050 31,200
渋谷ー桜木町 14,170 14,640 13,030 40,370 41,720 37,120
渋谷ー吉祥寺 6,580 6,950 6,200 18,760 19,810 17,670
横浜ー鎌倉・逗子 10,210 10,630 9,460 29,110 30,300 26,980
横浜ー田浦 14,170 14,640 13,030 40,370 41,720 37,120

 ただし、使い方によっては割高になる可能性があるほか、経理業務が煩雑になる場合もあるので、導入前には十分に実態を調査しておきましょう。

 国土交通省はJR東日本の運賃上限変更認可申請について、適正な審査を行うため、広く利用者から意見を聴くために、パブリックコメントを実施すると発表しました。

 意見は10月3日(必着)までです。パブリックコメントの関係する資料は、電子政府の総合窓口(e-Gov)から入手できます。

 鉄道の運賃は、鉄道事業法にもとづいて、その上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければなりません。能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査し、運輸審議会に諮る必要があります。パブリックコメントで寄せられた意見はこの運輸審議会で報告される予定です。