目次

  1. オフピーク定期券とは
  2. オフピーク定期券と通常の定期券の違い
  3. グリーン定期券・FREXどうなる?
  4. オフピーク定期券、いつから?
  5. オフピーク定期券の対象区間
  6. 対象となる券種
  7. 駅ごとに異なるオフピーク対象外の時間帯
    1. 山手線沿線のピーク時間帯(いずれも平日午前)
    2. 中央線快速停車駅のピーク時間帯(いずれも平日午前)
  8. オフピーク定期券、2024年10月からさらに値下げ

 オフピーク定期券とは、通勤ラッシュ時の電車利用を首都圏の朝のピーク時間帯前後にシフトすることを目的に、JR東日本が2023年3月18日から発売した定期券のことです。次の5つの特徴があります。

  • 平日のピーク時の90分以外は定期券として利用できる
  • これまでより約10%値下げ
  • ピーク時は別途、IC普通運賃が必要
  • 利用時間の判定は入場時(ピーク時間帯は駅ごとに設定予定)
  • 私鉄・地下鉄にまたがる定期券も利用できる見込み

 ただし、通学定期券にはオフピーク定期券の設定はありません。

オフピーク定期券と通常の定期券の違い

 通常の定期券は、オフピーク定期券と違って追加費用なく終日利用できる一方、東京の電車特定区間内で完結する通常の通勤定期運賃は、いまより約1.4%値上げとなる見込みです。

 JR東日本は「通常の通勤定期券は若干の値上げすることで、全体として増収とならないという想定のもと定期運賃に価格差を設けた」と説明しています。

 グリーン定期券・FREX(東京~大宮・東京~新横浜間等)にオフピーク定期券の設定はありません。ただし、通勤定期運賃と料金相当額の合算額であるため、通常の通勤定期運賃が値上げとなるため、いすれの価格も値上げとなります。

 JR東日本は、2023年3月18日からオフピーク定期券を発売開始します。前売りはありません。

 JR東日本によると、オフピーク定期券の対象は、東京の電車特定区間内完結となる区間と説明しています。

 具体的には、JR東日本の公式サイトに掲載された図が参考になります。

オフピーク定期券が設定される区間。東京駅を中心に、大宮(埼玉県)、取手(茨城)、千葉・千葉みなと(千葉)、久里浜・羽沢横浜国大(神奈川)、奥多摩・高尾(東京)までがオフピーク定期券の対象エリア。JR東日本の公式サイトから引用 https://www.jreast.co.jp/

 オフピーク定期券の対象券種は、通勤定期券(Suica・モバイルSuica)です。障害者割引、特定者割引は対象ですが、通学定期券、グリーン定期券、FREX及びFREXパルは対象外です。

 ピーク時間帯は駅によって異なり、各駅で1時間30分ずつ設定します。利用時刻の判定は改札口の入場時で、出場時の時刻は関係ありません。各駅のピーク時間帯は、すでに実施済みの「オフピークポイントサービス」のピーク時間帯を基本としてする予定だといいます。

 JR東日本の公式サイトをもとに、ピーク時間帯の例を紹介します。オフピーク定期券を使う場合はこの時間帯の入場を避ける必要があります。

  • 目黒・五反田・田端・駒込・巣鴨:7:15~8:45
  • 渋谷・恵比寿・田町・上野・西日暮里:7:20~8:50
  • 秋葉原・御徒町・鶯谷・日暮里・大塚・目白・高田馬場・新大久保・高輪ゲートウェイ:7:25~8:55
  • 池袋・新宿・原宿・大崎・品川・新橋・有楽町・東京:7:30~9:00
  • 浜松町:7:35~9:05
  • 神田・代々木:7:40~9:10
  • 高尾・西八王子:6:25~7:55
  • 八王子・豊田:635~8:05
  • 日野:6:40~8:10
  • 立川:6:45~8:15
  • 国立・西国分寺:6:50~8:20
  • 国分寺・武蔵小金井:6:55~8:25
  • 東小金井・武蔵境:7:00~8:30
  • 三鷹:7:10~8:40
  • 吉祥寺・西荻窪:7:15~8:45
  • 荻窪・阿佐ケ谷:7:20~8:50
  • 高円寺:7:25~8:55
  • 中野・新宿・東京:7:30~9:00
  • 四ツ谷・御茶ノ水・神田:7:40~9:10

 JR東日本は「オフピーク定期券」は通常の通勤定期券より約10%割安な Suica 通勤定期券で、利用者は約20万人を達成しました。2024年10月からはさらに値下げして、約15%割安な価格に改定します。

 1ヵ月オフピーク定期運賃(税込・バリアフリー料金込)は以下の通りです。

区間 オフピーク定期券 通常の通勤定期券 値下げ額
新宿・赤羽 現行6200円 6950円 ▲750
改定5870円 ▲1080
新宿・立川 現行13030円 14640円 ▲1610
改定12320円 ▲2320
新宿・横浜 現行15400円 17310円 ▲1910
改定14560円 ▲2750

 ただし、通勤定期として使用する場合、使い方によっては割高になる可能性があるほか、経理業務が煩雑になる場合もあるので、導入前には十分に実態を調査しておきましょう。