目次

  1. コロナにより観光客に人気の夏みかん菓子が打撃
  2. 若い世代が夏みかん菓子離れ 2つの提案
    1. 提案1:素材がわかる味わいへ新商品開発
    2. 提案2:試作段階から地域を巻き込んだ商品開発
  3. 地域にある「透明な壁」から半歩出る勇気
  4. 萩の伝統菓子を引き継いだ二店舗目出店が決定

 今もなお城下町のたたずまいが残る明治維新胎動の地として知られる観光地、山口県萩市。名産は夏みかんで、皮菓子やジュースとして観光客のお土産に人気です。

 大正12年(1923年)から約100年間、夏みかん菓子を製造している中村製菓本舗のメイン商品、夏みかんの皮菓子は、販路が土産屋のためコロナの影響で観光客が激減し、在庫が動かない状況が続いていました。

 そんななか、中村製菓本舗の中村和子さんが中小企業や起業を目指す人が無料で相談できる萩市ビジネスチャレンジサポートセンター(はぎビズ)に相談に訪れたのは、2020年12月のことでした。

相談に訪れた中村さん(右)

 ヒアリングするなかで見えてきたのは、販路が土産屋のため観光客数に売上を左右されていること、地元客の高齢化が進み、若い世代の夏みかん菓子離れも進んでいることから、販路開拓と新規顧客獲得が必要であることがわかりました。

 萩市内には夏みかんを加工製造する菓子屋が多いため、まず中村製菓本舗の強みを商品から見出していきました。夏みかんの皮を蜜に漬け砂糖をまぶした皮菓子などの代表的な土産菓子のほか、マーマレードなど家庭的で地元客にも人気の商品を製造しています。

中村製菓本舗の店舗

 店舗に伺うと来客用に夏みかん型座布団を手作りしていたり、発送の荷物に手書きのお礼文を入れていたりと、親しみやすさと丁寧さのある会社だとわかりました。

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