目次

  1. 社員の笑顔が並ぶ新聞広告
  2. グループ会社が産地を偽装
  3. 「清算しても構わない」と言われ
  4. 徹底的に切り詰めたコスト
  5. 「なんで女が来るんだ」と言われ
  6. 「社長として未熟だった」と自問
  7. 上位層に「聴く習慣」を
  8. 「京セラフィロソフィ」を唱和
  9. 社内ファシリテーターを養成
  10. 新規事業はソーシャルビジネス
  11. 「三つのインフラ」が与えるもの

 フジ物産は創業65周年を迎えた2022年、地元紙に全15段の広告を打ちました。100人を超える全社員の笑顔が並び、全員が会社のシンボルマークの富士山を指で作っています。そしてこんなコピーを添えています。

「ひと言で言えない会社になりました。(中略)ここにいる社員一人ひとりが想像もしなかった未来を描いていきます。先人もビックリする程の発展を。清水から世界へ。フジ物産の成長は止まりません」

フジ物産が出した新聞広告

 同社はSDGs(持続可能な開発目標)も意識しながら多様なビジネスで年商130億円を誇り、地元静岡のスポーツチームの支援にも積極的です。社員の生き生きとした表情を引き出す、山﨑さんの組織づくりを紹介します。

 フジ物産は山﨑さんの父謹三さんが1957年に創業しました。山﨑さんは3人きょうだいの末娘。兄が2人いたこともあり他家に嫁ぎましたが37歳で離婚。97年にフジ物産に入社しました。

 経理担当として父や兄を支えましたが、将来は独立しようと中小企業診断士の資格を取得します。その後も独学でコーチングを学び、独立に向けて着々と準備を重ねました。

フジ物産3代目社長の山﨑伊佐子さん

 しかし、そんな最中の2006年、当時のグループ会社(現在はフジ物産活鰻事業部として統合)でウナギの産地偽装という不祥事が発覚したのです。この会社は高知県でウナギの加工業を営んでいました。当時の社員数は50人で業界では大手でしたが、中国産のウナギを国産と偽ったシールを貼って流通させていたのです。

 産地偽装を知った創業者の謹三さんは山﨑さんを呼び、こう言いました。

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