目次

  1. 船橋屋とは
  2. 交通事故の動画、SNSで拡散
  3. 渡辺雅司氏、社長辞任 新社長に神山恭子氏
  4. 船橋屋「和解・示談は成立」

 「元祖くず餅 船橋屋」の公式サイトによると、船橋屋の創業は江戸時代の文化二年(1805年)。船橋屋初代の出身地は下総国(千葉県北部)の船橋で当時、下総国は良質な小麦の産地だったことから、湯で練った小麦澱粉をせいろで蒸し、黒蜜きな粉をかけて餅を作っていたといいます。これが、後に「くず餅(くずもち)」と呼ばれるようになりました。

 本店には、芥川龍之介、永井荷風、吉川英治ら文化人も足を運んでいたといいます。

 交通事故が起きたのは、8月下旬、東京・半蔵門付近。渡辺社長の車が赤信号にも関わらず道路を進み、カーブを曲がってきた車と衝突事故となりました。赤信号を見落としていたとみられ、動画では「どっからお前出て来てんだ、この野郎」などと激高する渡辺社長の声が録音されていました。

 9月上旬の投稿はすでに削除されていますが、その後もほかのアカウントに転載され、拡散されています。

 船橋屋は9月29日、取締役会で渡辺社長が辞任したことを公表しました。辞任理由は「一身上の都合」。辞任のため、退職金は発生しません。

 同日、臨時株主総会と取締役会で、執行役員の神山恭子氏(旧姓:佐藤恭子)が代表取締役に就任しました。神山氏は、渡辺前社長とともに船橋屋の改革に尽力した「ナンバー2」としてメディアに多数登場してきました。

 交通事故について、船橋屋は「事故並びに現場での対応は概ね事実であり、弊社としても到底容認できるものではないと考えており、事故のお相手の方には深くお詫び申し上げます」と公式サイトで公表。警察署には届け出ており、事故当事者との和解・示談は既に成立しており、今後の処遇及び再発防止策を検討しているといいます。

 事故から数週間経過し、SNSで拡散後の公表になったことについては「示談・和解に向けた話し合いを進めることを優先」していたと説明しています。