くず餅の老舗「船橋屋」、交通事故で怒鳴った動画拡散の社長が辞任
東京・亀戸にあるくず餅の老舗「船橋屋」は2022年9月27日、SNS上で渡辺雅司社長が赤信号を進んで交通事故を起こし、事故の相手方に怒鳴った様子を撮影した動画が拡散されていることについて、公式サイト上で「事故並びに現場での対応は概ね事実であり、弊社としても到底容認できるものではない」と公表しました。渡辺社長は29日の取締役会で辞任しました。新社長に神山恭子氏が就任しました。
東京・亀戸にあるくず餅の老舗「船橋屋」は2022年9月27日、SNS上で渡辺雅司社長が赤信号を進んで交通事故を起こし、事故の相手方に怒鳴った様子を撮影した動画が拡散されていることについて、公式サイト上で「事故並びに現場での対応は概ね事実であり、弊社としても到底容認できるものではない」と公表しました。渡辺社長は29日の取締役会で辞任しました。新社長に神山恭子氏が就任しました。
「元祖くず餅 船橋屋」の公式サイトによると、船橋屋の創業は江戸時代の文化二年(1805年)。船橋屋初代の出身地は下総国(千葉県北部)の船橋で当時、下総国は良質な小麦の産地だったことから、湯で練った小麦澱粉をせいろで蒸し、黒蜜きな粉をかけて餅を作っていたといいます。これが、後に「くず餅(くずもち)」と呼ばれるようになりました。
本店には、芥川龍之介、永井荷風、吉川英治ら文化人も足を運んでいたといいます。
交通事故が起きたのは、8月下旬、東京・半蔵門付近。渡辺社長の車が赤信号にも関わらず道路を進み、カーブを曲がってきた車と衝突事故となりました。赤信号を見落としていたとみられ、動画では「どっからお前出て来てんだ、この野郎」などと激高する渡辺社長の声が録音されていました。
9月上旬の投稿はすでに削除されていますが、その後もほかのアカウントに転載され、拡散されています。
船橋屋は9月29日、取締役会で渡辺社長が辞任したことを公表しました。辞任理由は「一身上の都合」。辞任のため、退職金は発生しません。
同日、臨時株主総会と取締役会で、執行役員の神山恭子氏(旧姓:佐藤恭子)が代表取締役に就任しました。神山氏は、渡辺前社長とともに船橋屋の改革に尽力した「ナンバー2」としてメディアに多数登場してきました。
交通事故について、船橋屋は「事故並びに現場での対応は概ね事実であり、弊社としても到底容認できるものではないと考えており、事故のお相手の方には深くお詫び申し上げます」と公式サイトで公表。警察署には届け出ており、事故当事者との和解・示談は既に成立しており、今後の処遇及び再発防止策を検討しているといいます。
事故から数週間経過し、SNSで拡散後の公表になったことについては「示談・和解に向けた話し合いを進めることを優先」していたと説明しています。
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