目次

  1. 木軸ペン工房とは
  2. 公開インタビュー音声をYouTubeで公開

 木軸ペン工房は、長野県駒ケ根市の国道沿いの工房で、店主の青木広司さん(41)が1人で営んでいます。希少な木々を加工してペンの軸(木軸)をつくり、市販品の芯や金具と組み合わせ、ボールペンやシャープペンを完成させます。

 特徴の1つが、クルミオイルと自家製の蜜蝋(みつろう)ワックスを木軸部分に塗り込み、本来の質感を保った自然な手触りに仕上げている点です。黒柿やカリン、ケヤキ、屋久杉など、樹種によって異なる模様(木目)の味わいもアピールポイントです。

木軸ペン工房のシャープペン。左から一位(イチイ)、黒柿(クロガキ)、花梨瘤(カリンコブ)、栃(トチ)、紫檀(シダン)(木軸ペン工房提供)

 青木さんは20年以上にわたり、治山・緑化工事や道路建設などを手がける地元の土木建設会社で働いてきました。山の斜面が崩れた現場で倒木を目にするたび、「もったいない。何かに使えないか」という問題意識を抱いてきました。また、様々な要因でまれに現れる、不規則で複雑な模様「杢(もく)」の魅力にも次第に取りつかれていったそうです。

 木への愛情が高じ、10年ほど前から木の皿などの製作を開始。やがて木軸ペンづくりに注力するようになりました。当初は趣味のつもりでしたが、完成度の高さから「売ってみたら」と勧められることが増えたといいます。

 2021年からハンドメイド作品の売買サイト「minne(ミンネ)」などで販売を始めました。1本1万2000円からと決して安くありませんが、購入者からは「手になじむ」「写真で見るより美しい」との高評価が多数寄せられています。

 ツギノジダイ編集部は、「GOOD LIFE フェア 2022」に出展した木軸ペン工房の青木さんに、現地で公開インタビューを行いました。木材や木軸ペンの魅力のほか、自家製の蜜蝋を使う理由、購入者の傾向や特徴、本業との時間のやりくり、家族の協力など、話題は多岐にわたりました。

 当日のインタビューの様子をラジオ形式でYouTube上に公開しました。また、記事末尾のフォトギャラリーでは、青木さんの作品製作にまつわる様々な写真をご覧いただけます。