目次

  1. 岡山国際サーキットなど建設
  2. 大学ではアメフトに没頭、26歳で家業へ
  3. 提案通らず退社、起業は1年で頓挫
  4. 「住宅事業は伸びる」という確信
  5. 採用方針を変更、女性従業員は3.4倍に
  6. カフェ事業に参入、設計も運営も自社で
  7. 「両利きの経営」の裏にある危機感

 佐藤建設は1952(昭和27)年、公泰さんの祖父・佐藤常四(つねし)さんが岡山県勝央町(しょうおうちょう)で創業しました。

 2代目の佐藤宣義(のぶよし)さん(66)の代になると、岡山県北部の土木工事、建設工事を中心に事業を拡大しました。病院や学校などのほか、工場や商業施設、さらに「岡山国際サーキット」や「美作(みまさか)ラグビー・サッカー場」といったスポーツ施設など、多くの実績を残しています。

1990年に完成した岡山県美作市にある「岡山国際サーキット」(佐藤建設提供)

 1990年代後半からの公共事業の縮小を受け、2008年に住宅事業に参入します。その後、デザイン性と機能性の両立をうたう「R+house」にフランチャイズ加盟し、自社住宅ブランド「ベル・ホーム」を展開。地元テレビ局でCMを流すなど宣伝にも力を入れ、事業を拡大しています。

 2022年10月時点の従業員数は114人。2017年に公泰さんが3代目社長に就いた頃と比べ、2.4倍に増えました。2021年度の売上高は41億円と、こちらも同期比約2倍に増えています。

 公泰さんは1986年生まれ。山や田んぼに囲まれた勝央町で育ちました。姉2人がいる長男ですが、後継ぎとは見られていなかったそうです。

 「姉が医師なので、私にも医師を目指してほしいという思いが両親にはあったようです」

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