マルウェアEmotet、2023年3月から攻撃再開 500MB超のメールも
マルウェア「Emotet」の感染を狙った添付ファイル付きのメールによる攻撃が2023年3月7日から再開されたと、情報処理推進機構(IPA)などが注意を呼びかけています。セキュリティソフトの検知回避の目的か、メールに添付されたZIPファイルに500MBを超えるWord文書ファイルが含まれているものが確認されています。
マルウェア「Emotet」の感染を狙った添付ファイル付きのメールによる攻撃が2023年3月7日から再開されたと、情報処理推進機構(IPA)などが注意を呼びかけています。セキュリティソフトの検知回避の目的か、メールに添付されたZIPファイルに500MBを超えるWord文書ファイルが含まれているものが確認されています。
Emotetとは、メールを介してウイルスへの感染を狙うマルウェア(悪意のあるソフトウェア)の一つで、感染すると、過去にメールのやり取りをしたことのある、実在の相手の氏名、メールアドレス、メールの内容の一部が流用されてしまうため、取引先にも影響が出てしまいます。
JPCERT/CCの公式サイトによると、Emotetは、おもにマクロ付きのExcelやWordファイル、あるいはこれらをパスワード付きZipファイルとしてメールに添付する形式で配信されており、ファイルを開いてマクロを有効化するとEmotetに感染してしまいます。
2022年11月上旬以降、Emotetの感染に至るメールは国内で見つかっていませんでしたが、2023年3月7日からメールによる配布が再開されているのが見つかっています。
感染させる手口は従来から確認されている手口で、xlsファイル(Office文書ファイル)、あるいはxlsファイルを含むパスワード付きのZIPファイルが添付されているメールが送られてきます。xlsファイルを開き、マクロを有効化すると感染してしまいます。
Officeの設定で「信頼できる場所」に登録されているようなフォルダパスにxlsファイルをコピーさせた後にマクロを実行させ、警告を表示させないような工夫をしているといいます。
JPCERTコーディネーションセンターによると、2023年3月からは、メールに添付されるZIPフォルダを展開すると、約550MBとファイルサイズの大きいフォルダが確認されています。「サイズを大きくすることでアンチウイルス製品などでの検知回避を図っていると考えられます」と説明しています。
このほか、Microsoft OneNote形式のファイル(.one)を悪用してEmotetへ感染させる新たな手口も見つかっています。ファイル内に書かれた指示に従って「View」ボタン(ボタンに模した画像)をダブルクリックすると、「View」ボタンの裏に隠されている悪意のあるファイルが実行され、Emotetに感染する恐れがあるといいます。
JPCERTコーディネーションセンターは「感染拡大を防ぐため、改めて、取引先などから送られているようにみえるメールでも安易に添付ファイルの実行や文中のURLクリックをしないようご注意いただき、組織内で注意を呼び掛けるなど警戒を高めていただくことを推奨します」と注意を呼びかけています。
また、IPAはEmotetを含むウイルス感染を防ぐ対策として以下のように案内しています。
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