目次

  1. サクマ式ドロップスとは
  2. 佐久間製菓、廃業の理由
  3. 「サクマドロップス」のサクマ製菓は別会社で営業継続

 佐久間製菓の公式サイトによると、サクマ式ドロップスは、創業者の佐久間惣治郎氏が英国より輸入されていたドロップを自分の手で作ろうと考え、明治41年(1908年)に完成させたドロップです。

 戦時中に廃業しますが、故・横倉信之助氏が1948年に東京・池袋に再興したのが佐久間製菓です。独自の製法は「サクマ式製法」と呼ばれ、特許庁よりサクマ式ドロップスの登録商標が認められています。

佐久間製菓の本社前に飾られている、サクマ式ドロップスのパッケージ

 1988年のアニメ映画「火垂るの墓」では、主人公・清太の妹である節子が大切にしているお菓子としてサクマ式ドロップスが描かれています。佐久間製菓は、アニメ映画「火垂るの墓」での登場をきっかけに復刻版を発売したほか、2007年には実写映画「火垂るの墓」にも参画していました。

 114周年を迎えるにあたり、横倉信夫社長は公式サイト上で次のようにコメントしていました。

ドロップ、キャンデー、チョコレート、ビスケットが珍しいとされてきた時代、日本の食文化に馴染んできた時代、簡単には手に入らなくなった時代を経て、私達は今日の豊かな時代に生活しています。

一つの商品が、その時々の人々にどのように思われたかを想像しますと、改めて114年という年月の重みを感じます。

社会や価値観が変わり行く中、変わらないスタイルを保ち続けたサクマ式ドロップス。お菓子が誰でも食べられる平和で豊かな社会となった今日まで、ご愛用頂いた沢山の皆様とともに存在し続けています。

佐久間製菓

 しかし、2022年11月に入り、佐久間製菓が廃業する方針が明らかになりました。東京商工リサーチは公式サイトの記事で、佐久間製菓の廃業理由について次のように説明しています。

「廃業のお知らせ」によると、廃業日は2023年1月20日。廃業の理由は、新型コロナの影響による販売減や原材料、エネルギー価格の高騰、人員確保の問題などあげている。

東京商工リサーチ

 「サクマドロップス」で知られるサクマ製菓(東京都目黒区)は別会社で、営業を継続しています。ルーツは佐久間製菓と同じですが、創業家の山田隆重氏が復興させたのがサクマ製菓です。近年では人気アニメ「鬼滅の刃」とのコラボでも注目されました。