目次

  1. 仏具の技術を生かした車止め
  2. 開発に込めた三つのこだわり
  3. カタログ掲載で販路を拡大
  4. 車止めの技術を新たな製品に
  5. 車止めの売り上げは60倍に
  6. 技術継承への仕組み作りを

 高田製作所3代目の高田さんは、主力だった仏具の行く末を案じ、反対した職人の大量退職なども経験しながら、アルミニウム製品に活路を見いだしました。開発した花瓶などが、ミラノサローネといった国際見本市で評価されて家業の名を広め、2014年からはオリジナルの車止め「アルデコール」の開発に乗り出します。

高田製作所の製造現場

 無類の車好きである高田さんは、いつか自動車に関わる製品を作りたいという夢を持っていました。

 コンビニや施設の駐車場で見る車止めは、どこか割れているか抜けているところがあることが多いといいます。加えて高齢者の踏み間違い事故が問題視され始めたころでした。

 「全ての問題を解決する車止めがあったらいいのにと思っていました。自分がやるなら、高級で世の中で一番美しいものを作り、日本の駐車場を足元から安全に美しくするという開発目標が出発点でした」

 同社の仏具はきれいな鋳物を作る技術に加え、衝撃にも強く壊れない品質を保つ技術もあります。「恒久的な製品である仏具のように、壊れない車止めを開発するというところに、使命を感じました」

 車止めは鋳物で純度の高いアルミに特化し、高耐食性に優れ長持ちする製品にしました。タイヤの力を地面に受け流す形状を考案し、工業技術センターで試験を行い、特許も取得しています。「コンクリート製に比べ高価ですが、半永久的に使える製品開発はやりがいがありました」

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