目次

  1. 「サ道」が人気後押し 20~40代の利用者が増加
  2. 大正に創業 乗合馬車の発着場だった
  3. 楽しくないんじゃない?に「グサッ」 変えたコミュニケーション
  4. 母が託した代表のバトン 家族で役割分担
  5. 女性専用サウナの矢先にコロナ禍 でも「また開催しよう」
  6. 湯上がり食堂で地域コラボ 「月一のご褒美」で訪れる女性客も
  7. 「難しくても考えながら変化し続けなければ 」

 南九州最大の繁華街・歓楽街として知られる鹿児島市の天文館(てんもんかん)のアーケードを抜けた先の銀座通り。ここでホテルニューニシノは、鹿児島のサウナの代表的存在として古くから男性客に愛されてきました。

 近年のサウナブーム、ドラマ化された漫画「サ道」の人気が後押ししてメディアの取材が増え、県外からの利用客も少しずつ増えています。

 大浴場とサウナは男性専用のため、ホテルニューニシノの利用客の8割は男性です。サウナブームにより、コロナ前、20〜40代の利用客と50代以上の利用客の割合は3:7だったのが、今では7:3に逆転しています。

写真左は、備長炭温泉蒸気サウナ。壁一面に備長炭を敷き詰めている。天然温泉の熱温と蒸気で温めているため、室内は43〜45度と比較的低温だ。写真右はフィンランドサウナ。3代目社長の憲保さんがフィンランドから船便で取り寄せたケロ材を壁面に使用。設定温度は82〜86度。サウナストーブの石にアロマオイルを含んだ水をかけて発汗を促す「ロウリュウ」も実施(いずれもニュー西野ビル提供)

 ホテルニューニシノの創業は1918(大正7)年。経営する「ニュー西野ビル」の4代目社長、西野友季子さんの父方の曽祖母・シオツルさんが始めた「西野旅館」が前身です。

 初代シオツルさんは鹿児島県南九州市知覧町の出身です。1914(大正3)年 から、馬車で鹿児島市に出てきた知覧在住者が泊まる宿「知覧問屋」を役場から任されていたようです。

 友季子さんが南九州市役所で調べると、さらに次のようなことがわかりました。

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