目次

  1. 反対されても立ち上げたブランド
  2. 無名だった波佐見焼をブランドに
  3. 世界に通用するテーブルウェアを
  4. 海外デザイナーとも協業
  5. 町を元気にする事業を続々
  6. 愛息の名前に込めた思い

 「こんなものが売れるわけがない」

 社長で父の盛介さんは児玉さんに強烈な一言を浴びせました。

 矢面に立たされたのはテーブルウェアの「ハサミポーセリン」。篠本拓宏さんをデザイナーに迎えたそのブランドは、一切の装飾を廃しシンプルを極めたフォルム、そして独自の配合と焼成温度がもたらすざらりとした手触りを特徴としました。

 篠本さんはインテリアショップのイデーでキャリアを積み、ロサンゼルスを拠点に活動していた知る人ぞ知る存在。ハサミポーセリンは西海陶器アメリカ支社の主導で2012年に始動したばかりのプロジェクトでした。

アップル社も認めた「ハサミポーセリン」(西海陶器提供)

 児玉さんはこのブランドを東京西海の目玉として売り出そうとしていました。

 「焼き物と言えば釉薬でコーティングするのが常識でしたから、父の理解の範疇を超えていたのでしょう。しかしふたを開けてみれば増産に次ぐ増産。最高のスタートが切れました」

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