目次

  1. 老舗建設商社がBIMに積極投資する理由
  2. ルーツは織田信長の家臣
  3. 人の成長信じる経営スタイル でも危機感も
  4. 建設DXも新規事業の一つだった
  5. 父の「⼈を通じて変えよう」を守りつつ10年以上かけて改革

 東京ビッグサイトで2022年12月に開催された「第2回建設DX展」。野原ホールディングス(HD)は、展示会場の入口のひときわ大きなブースで、BIM設計-生産-施工支援プラットフォーム「BuildApp(ビルドアップ)」をアピールしていました。

 BIM(Building Information Modelling)とは、建設物のデジタルモデルに、部材やコストなど多様な情報を追加した建設物のデータベースを持たせ、設計・施工・維持管理の各プロセスを横断して活用するため考え方や仕組みです。そうすることで設計から施工、維持管理までの工程をスムーズに進めることに役立ちます。

ARで体験する展示ブース。画面越しに見ると実際の風景に寸法など必要なデータが重なって見える(野原HD提供)

 展示会場では、タブレットを通して現場を見ると、実映像に施工図面が重なって映し出されるデモの様子などが披露されました。

 展示会場に立った野原さんは「BIMは1980年代から理論としてはありましたが、コンピューターの性能上、実現には限界がありました。しかし、ここ10年ほどでコンピューターの性能向上とともに本格的に注目を集めるようになりました」と話します。

 自社のBIMプラットフォームを開発・普及させるため、エンジニアなどを積極採用し、目先の経常利益は落としつつもあえて積極的な投資を続けています。

 その背景には、事業承継した家業への危機感がありました。

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