目次

  1. 華やかな世界にあこがれテレビディレクターへ
  2. ズームイン・24時間テレビ……手放せぬ胃薬 でも一生の宝物
  3. 震災で気づいた「家業ってすごい」 継がない勇気を持てなかった
  4. 高まる個人の防災意識 でも当初は「箱単位でしかお売りできません」
  5. 何を参考にすべきか分からない SNSで呼びかけた
  6. ギフトにもなる防災グッズ 「楽しくないと続かない」をテーマに
山形市宮町・鳥海月山両所の宮。狛犬台石に寄進者として祖先、西谷金兵衛の名前がある

 西谷は、山形市の中心街「七日町」に店を構える生活雑貨店。2023年で創業275年目を迎えます。私で9代目、いずれは初の女性後継ぎとなる予定です。

 ルーツは「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三方よしを経営理念としている近江商人です。

 紅花とお醤油売りからはじまり、時代の流れに合わせて取扱商品を増やし、現在は日用雑貨・消火器・非常食・業務用洗剤、私が元テレビディレクターということもあり、動画やホームページ制作、写真撮影などのコンテンツ事業など何でもしています。

 私は一人娘として生まれて、幼いころから両親だけではなく、社員さんや取引先の人が常に近くにいる環境で育ってきたわけですが、家を継ぐつもりなんて1ミリもありませんでした。

 両親は日々忙しそうだけれども、会社が何をしているのか分からないし、興味がない……。なぜだかかっこ悪いと思っている始末。

学業よりもギャルである自分に一生懸命だった大学時代

 その反動なのか、大学卒業後は華やかなテレビの世界に飛び込みたくて、全国各地のテレビ局の就職試験を手当たり次第に受験し、40社受けてようやく地元のテレビ局に、テレビディレクターとして採用されました。

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