目次

  1. 畜産業を息子に拒絶されて
  2. BSEで活気を失った牧場
  3. 苦境で牛の預託にシフト
  4. 努力しても消えないもやもや
  5. ブランド牛誕生へ汗を流す
  6. 数億円の借り入れを決断
  7. 広がる毬姫牛の販路
  8. 「パパの牛肉を海外に売る」

 八戸毬姫牛が誕生したきっかけは、5年ほど前の何げない会話でした。

 市川さんが牛の世話を終え、保育園に通う長男と風呂に入っていたとき、なんとなく聞いてみました。

 「将来、どんな仕事がしたい?」

 答えは「パパがしている仕事以外をしたい」というものでした。

 息子にとって世界一やりたくない仕事が、自分がやっている畜産業だったのです。家族を養うために必死で働いているのに、自分の姿は息子にとってあこがれとは全くに映っていました。市川さんは大変なショックを受け、心に火が付きました。

 よくある親子の会話が、市川さんと牧場の未来を大きく変えるきっかけになったのです。

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