目次

  1. 新聞社から早期退職勧告 セカンドライフは経営者
  2. 旧知の社長から「うちの会社を経営してみないか」
  3. 大阪・ミナミの中心地で福祉併用型ホテルを開始
  4. 数字に強い外国人社員を幹部登用
  5. 冷静な経営戦略と人情を両立させるには
  6. 会社にいる時からセカンドキャリアへの備えを

 充実した記者生活をできれば最後まで全うしたかった。でもそれができなくなったとき、残りの人生をどう生きるのか。

 「健水ライフサイエンス」(以下、健水)社長の髙橋一隆さんはこの大きな課題に直面し、期せずして知人の会社を引き継いで経営者になりました。

 髙橋さんが事業承継した健水は、特殊な処理によって微細気泡の水素含有水を製造する機器の開発(特許取得)、ミネラルウォーター、化粧水のOEMや代理店業務などを手がけます。特許技術を用い、手荒れにも対応した成分を含むアルコール70%以上のジェルやスプレータイプの衛生品は、コロナ禍で需要が伸びました。

健水が手がけるアルコール衛生品を持つ髙橋一隆さん

 現在、複数の会社経営を始めて3年目、すべてで順調な収益を上げているわけではありませんが、会社の規模は徐々に大きくなっています。

 髙橋さんは26年間、毎日新聞の記者として活躍。地方支局や大阪本社で活躍し、特に担当した原発関連記事では高い評価を得ていました。

 「もともと私は興味がある対象や人間には、とことんのめり込むタイプ。寝食を忘れて取材し、記事を書き続けました。充実した記者生活を送っていて本当に楽しかった。定年まで記者を続けるつもりでした」

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