目次

  1. 会社のブランディングに着手
  2. 最新の編み機よりデザインに投資
  3. 事業のあり方を組み立て直す
  4. コロナ禍で立ち上げた新ブランド
  5. 工場内に直営店を開いた理由
  6. 作り手と売り手の距離を縮める

 大江さんは07年に入社するまで継ぐことは「1ミリも考えたことがなかった」と言いますが(前編参照)、父で2代目の富造さん(現会長)から社長就任を打診された際、迷うことはありませんでした。

 自身が指揮を執って10年に立ち上げた「コーヘン」が軌道にのってきたところで、「断ったり、引き伸ばしたりするのは違う気がしました」と振り返ります。

 入社以来、家族が暮らす東京と山形を行き来して仕事をしていましたが、ちょうど就任前年に子どもの小学校入学に合わせて家族と山形に拠点を移しており、断る理由もありませんでした。

 当時、コーヘンは売り上げ全体の3割を占めるほどに成長し、OEM(相手先ブランドによる生産)と並行しつつ、「今後は自社ブランドを中心に据えて事業を組み立てる必要がある」と考えていたタイミングでもありました。

 社長に就任した大江さんが着手したのは、会社全体のブランディングでした。その際に役立ったのは、自社ブランドのコーヘンで5年培ったノウハウです。「会社のブランディングはブランドづくりと変わらない。それは『米富』という人格をつくるような作業でした」

 自社ブランドの開発や会社のブランディングでは、前職の販売職で身に付けた「価値や魅力を分かりやすく伝えるスキルが役に立った」と言います。

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