目次

  1. 2023年度の食糧用小麦の総需要、前年度と同じ見通し
  2. 輸入小麦の政府売渡価格とは
  3. 日本政府が輸入している外国産小麦の5銘柄
  4. 輸入小麦の政府売渡価格の推移
  5. 家庭への影響
  6. 農水省の相談窓口

 農林水産省が発表した「麦の需給に関する見通し」によると、2023年度の食糧用小麦の総需要量は、新型コロナの影響による外食の需要減から回復基調にあることから、前年度と同じ562万tを見込んでいます。国内産麦ではまかなえないため、小麦は国内需要の8割以上を外国から輸入しています。

 国内産小麦は民間流通により取引されており、国内産小麦で足りない分について、政府が外国産小麦を計画的に輸入し、製粉企業やしょうゆメーカーなどに売り渡しています。

 輸入小麦の政府売渡価格は、買付価格にマークアップ(政府管理経費、国内産小麦の生産振興対策に充当)と港湾諸経費を上乗せし、年2回改定しています。6ヵ月間の買付価格を平均することで、価格変動分を緩和して売渡価格に反映しています。

 原料として使用される小麦の種類は、小麦粉の種類・用途に応じて異なっています。日本政府が輸入している外国産小麦の5銘柄は次の通りです。

  1. カナダ産ウェスタン・レッド・スプリング(1CW) 主にパン用
  2. アメリカ産ダーク・ノーザン・スプリング(DNS) 主にパン・中華麺用
  3. アメリカ産ハード・レッド・ウィンター(HRW) 主にパン・中華麺用
  4. オーストラリア産スタンダード・ホワイト(ASW) 主に日本麺用
  5. アメリカ産ウェスタン・ホワイト(WW) 主に菓子用
小麦の種類と用途

 輸入小麦の政府売渡価格の変動要因は以下の3つに影響を受けています。

  1. 小麦の国際価格の動向
  2. 為替の動向
  3. 海上運賃の動向
輸入小麦の政府売渡価格の推移(画像はいずれも農林水産省の公式サイトから https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/boeki/230912.html)

 2023年10月期の売渡価格は、米国の主要小麦産地での天候が小麦の生育に好条件であったこと、中国の輸送需要の減少で海上運賃が下落したことなどにより、前期に比べ下落しました。

 この結果、2023年10月期の輸入小麦の政府売渡価格は、直近6ヵ月間の平均買付価格をもとに算定すると、5銘柄加重平均(税込価格)で1tあたり6万8240円、11.1%の引き下げとなります。

 3年ぶりの値下げとなりますが、2021年以前と比べると価格は依然として高止まりしています。

 2023年10月期の政府売渡価格の改定が、食品の小売価格に与える影響は、食パンは0.9%(1斤当たり2円程度)減、中華そば(外食)は0.1%(1杯当たり0.7円程度)減、小麦粉は3.9%(1kg当たり13円程度)減とみられます。

 原料小麦の政府売渡価格の改定に伴い、製粉企業が小麦粉価格を改定するのは、各事業者の在庫状況にもよりますが、過去の例では約3ヵ月後となります。

 農林水産省は、農林水産省農産局農産政策部貿易業務課麦類需給班に専門の相談窓口を通じ、各種の相談を受け付けています。

電話:03-6744-1253(直通)
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