目次

  1. 新規顧客の開拓に課題
  2. 旅行事業を次世代の稼ぎ頭に
  3. 観光協会と連携した商品開発
  4. 高価格でも売れる商品を目指して
  5. 南アルプスの別荘を貸し出し
  6. 一般旅行客のニーズに応える
  7. 事業をモノからコトへ

 1983年に柳澤さんの父・仁さんが創業したエルクは、豊富な品ぞろえで古くからのファンに支えられた一方、昔ながらの店舗運営が時代遅れになっていました。2020年に入社した2代目の柳澤さんは、POSレジの導入や、情報共有の仕組み作りなど、会社としての基盤整備に力を注ぎました(前編参照)。

 しかし、エルクの課題はほかにもありました。柳澤さんは新規顧客を開拓できていない現状に危機感を覚えていたといいます。

 「エルクは多数のファンに支えられてきましたが、若者をはじめ新規顧客が非常に少ないという悩みがありました。少子高齢化という地域の現状を踏まえると、新規顧客の開拓に失敗したままでは先細りは免れません。新たな成長シナリオを描く必要がありました」

 柳澤さんは21年、エルク傘下の旅行会社「ゲイツ」の経営を母親の孝子さんから引き継ぎ、代表取締役に就任します(エルク取締役と兼任)。

 ゲイツはエルクの既存顧客向け登山ツアーの運営を担ってきました。現在、柳澤さんを含めて4人の従業員が働き、年間約30本のツアーを企画しています。

ゲイツは南アルプスの北岳など、本格的な登山ルートを案内しています(エルク提供)

 柳澤さんが代表取締役に就任してからは、ツアー参加者を既存顧客に絞らず、ウェブで幅広く募るようになりました。

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。