目次

  1. 1万5千点の品ぞろえ
  2. 学生時代の挑戦と挫折
  3. 「一代で閉める」と聞かされて
  4. アナログな運営に課題意識
  5. 採用でPOSレジの負担を軽減
  6. 情報共有を組織改革の一歩に

 エルクは柳澤さんの父・仁さん(66)が創業しました。仁さんが若かりしころ、数年かけてアメリカを放浪したとき、アウトドア文化に感動した経験が創業の原動力になったといいます。90年代に日本を席巻した第1次キャンプブームよりも前に創業しました。

 エルクの売り場面積は約250平方メートルで、取扱商品は約1万5千点にのぼります。アウトドアアクティビティーに必要な主立った道具を一通りそろえることができますが、店舗の強みは登山用品にあるとのことです。専門店としての期待に応えるため店頭に並べる商品は、従業員の試用による吟味を経て仕入れを決めています。

 特に重要とされる登山靴やバックパックの品ぞろえには力を入れており、それぞれ30種前後の商品が店頭に並べられています。まとまった数の登山用品を試用しながら比較検討できる点は店舗の魅力のひとつです。本格的なクライマーから商品選びに不慣れな初心者まで、様々な消費者のニーズをつかんでいます。

 店で働く8人はほとんどが古くから在籍する従業員で、全員が家族のような関係性です。年間売り上げは1〜2億円の規模で推移しています。

 エルクの2代目で取締役の柳澤さんは「本気で登山に挑むための道具選びはお任せください」と胸を張ります。

エルクは登山用品などの豊富な品ぞろえを売りにしています(以下、注釈のない写真はすべて筆者撮影)

 柳澤さんによると、山梨県内でアウトドア用品を扱う店の数は増えたものの、エルクは「地元に根ざしたアウトドア専門店」として差別化を図ってきたといいます。

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