目次

  1. 農場HACCP取得「父とコミュニケーションを取りたかった」
  2. 年中無休の直営店 逆転の発想でアイスの受け取り拠点に
  3. 生シェイクの生は“生き様の生”
  4. 飲食店を巻き込み 低コストでブランディング
  5. 波及効果で新たなイベントを創出
  6. 生シェイクの味を支える酪農技術
  7. 演劇で顧客拡大と人材採用も
  8. 新たな酪農の価値を創造する

 須藤牧場は、大正時代に健太さんの曽祖父・源七さんが創業しました。現在、牧場内では約100頭の乳牛が飼育され、年間の搾乳量は550トンにのぼります。

須藤牧場の酪農体験

 健太さんは幼い頃から酪農体験の受け入れをする両親の姿を見て誇りに思い、「小学生の頃から酪農家になると決めていた」といいます。高校時代は、家業を継ぐ前提で東京の俳優養成所に通っていました。「演劇など表現を学ぶことは今後の人生でプラスになると考えたからです」

 高校卒業後は北海道の農業専門学校で学んだ後、2013年に家業に入社しました。入社後は牛の飼養管理を学びながら、農場HACCP認証を取得しました。

 農場HACCPとは、畜産物の安全性確保のため、事業者自らが異物混入等の危害要因を除くための重要なポイントを設定し、継続的に監視・記録する衛生管理手法です。

 健太さんが農場HACCP認証を取得しようと思ったのには、ある理由がありました。

 「父とコミュニケーションを取りたかったというのが一番の理由です。父は豊富な知識と経験をもつ飼料作りの専門家です。しかし、そのノウハウを人に教えるのが得意ではなく、『これはどうするの』と聞いても『背中を見て覚えろ』というタイプの人でした。そこで、(外部検証員などの)第三者に入ってもらうことで技術の承継がスムーズにいくのではと考えました」

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。