目次

  1. 育業とは リスキリングについて分かれる意見
  2. 助成金を申請できる事業者
  3. 助成対象となる訓練
  4. 助成対象となる経費
    1. 受講料
    2. 訓練に付随するID登録料
    3. 訓練に付随する管理料
  5. 助成額と助成限度額
  6. 申請期間
  7. 申請方法

 東京都の小池百合子知事は2022年6月、育児休業(育休)の愛称を「育業(いくぎょう)」と決めたことを発表しました。「育休」は仕事を休むというイメージがあり取得しにくいという声があることから、都は育休に代わる愛称を募集していました。

 育業中スキルアップ助成金を設けた理由について、東京都は「育業により仕事から一時的に離れることによるキャリアなどへの不安や、育業からの職場復帰に向けスキルアップをしたいというニーズがあります」と説明しています。

 ただし、国会では、2023年1月に育休中のリスキリング(学び直し)を支援すると発言した岸田首相に対し、「育休は『休暇中』ではない」などとする批判が国会の内外で起こりました。

「Q:産・育休中のリスキリングは可能だと思う?」に対する回答の割合。「女の転職type」の調査から。https://woman-type.jp/academia/discover-career/data/vol-67/

 一方、キャリアデザインセンターが運営する女性向け転職サイト「女の転職type」のWebアンケートで、産休・育休中のリスキリングは可能だと思うかどうかを尋ねたところ、「可能だと思わない」が37.1%、「可能だと思う」が30.8%でした。子どもがいる人だけに回答を絞ると「可能だと思わない」は45.9%とさらに高くなっています。

 育休中のリスキリングやスキルアップは簡単なことではなく、様々な意見がありますが、自ら受講を希望している従業員の受講料などを支援する事業者向けの政策として「育業中スキルアップ助成金」を紹介します。

 都内に、本社または主たる事業所(支店・営業所等)の登記がある事業主が対象です。

 助成対象となる訓練は以下の通りです。

  • 教育機関などが提供する集合またはeラーニングなどを利用して実施するものである
  • 助成対象事業者が受講者の受講履歴などを確認できる訓練である
  • 教育機関等の受講案内と受講経費が、ホームページやパンフレットなどで一般に公開されている

 これに加えて、訓練に要する経費を受講者に負担させていないことが必要になります。

 助成対象となる経費は以下の通りです。

  1. 受講料
  2. 訓練に付随するID登録料
  3. 訓練に付随する管理料

 ただし、消費税は対象外です。税抜価格が助成対象となります。

 教育機関等が講座の価格(料金表)を公表しており、以下のいずれかに該当するものが対象です。

  • 1講座及び1人あたりの受講料が定められているもの(単講座)
  • 一定期間の受講料が定められており、期間内に複数の講座が受講できるもの(定額制)

 教育機関等への受講申込みや受講開始時に受講者のIDを登録するために必要な料金も対象になります。

 受講状況などを確認するために必要な料金も対象です。

 助成額は、1社あたり1年度100万円が上限です。中小企業の場合は対象経費の助成率が2/3、大企業の場合は1/2です。

 2023年5月17日から2024年2月29日まで郵送で受け付けています。当日の消印有効です。ただし、原則として助成対象訓練開始予定日1ヵ月前までに提出する必要があります。

 申請する前に、東京しごと財団の公式サイトにある募集要項のページにある書類を入手し、以下の宛先に郵送してください。

〒102-0072
東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル11階
公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課「スキルアップ助成金」事務局 育業中スキルアップ助成金 交付申請書 在中