目次

  1. 夫の一言に背中を押されて
  2. ふるさと納税返礼品として人気に
  3. 法人化とみそづくり教室を実現
  4. コロナ禍で開発したスイーツ

 吉村味噌糀店は、上田さんの祖父で初代の吉村義一さんが1936年、故郷の大月市で創業しました。そして1975年、上田さんの父で2代目の吉村定義さんが店と工場を現在の場所に移転し、みその製造を本格的に始めました。

リフォーム前の吉村味噌糀店(同店提供)

 上田さんは「地味でキツそうな仕事。両親が苦労している姿を見てきたこともあって、家業に対してはネガティブなイメージしか持っていませんでした」と振り返ります。

 地元の県立高校を卒業後に大手化粧品会社の美容部員として都内の百貨店などで勤務。結婚を機に退職後は、「子育てのかたわら、繁忙期の冬場にパートの1人としてお手伝いをする程度」ではあったものの、家業とは一定の距離を置いていたそうです。

 それでも、時が経つにつれ、徐々に店の今後について漠然と考えるようになったそうです。「だんだん年老いていく両親の姿を見ていて、『どうしようかな』とは思っていました。両親は『誰かに事業を譲ってもいいかな』とも考えていたみたいなんですけど…」

 上田さんの背中を後押ししたのは、夫の雄幸さんが発した「やってみたい」の一言だったそうです。

 雄幸さんは、それまで勤務していた県内の宿泊施設を退職。10年ほど本格的にみそ作りを学んだ後、2017年に、娘の上田さんを社長とする株式会社として、新たなスタートを切ることになります。

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