処理水放出で外国からの迷惑電話を減らすには NTT東日本が対策を紹介
東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をきっかけに、中国から日本の店舗や自治体に迷惑電話が相次いでいることについて、NTT東日本は2023年8月「特定の国番号の着信だけを拒否することや国際電話自体の着信を一律停止することはできない」と説明しつつ、電話に出る前に発信者の電話番号を確認できる「ナンバー・ディスプレイ」など4つの対策を紹介しています。
東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をきっかけに、中国から日本の店舗や自治体に迷惑電話が相次いでいることについて、NTT東日本は2023年8月「特定の国番号の着信だけを拒否することや国際電話自体の着信を一律停止することはできない」と説明しつつ、電話に出る前に発信者の電話番号を確認できる「ナンバー・ディスプレイ」など4つの対策を紹介しています。
処理水とは「ALPS処理水」とも呼ばれており、資源エネルギー庁の公式サイトによると、東京電力福島第一原発で事故のあった原子炉の内部で溶けて固まった燃料デブリを冷却し続けるために発生している汚染水を回収し、62種類の放射性物質を除去する「多核種除去設備(advanced liquid processing system、ALPS)」などを通して、処理を進めています。
ただし、トリチウムは「三重水素」とも呼ばれ、水の形で存在しているので除去は困難です。
2011年の事故当初に、処理できていない汚染水を海洋に放出したときに諸外国から批判を受けた経緯もあり、東京電力はその後、敷地内で処理を進めてきましたが、増え続ける保管用タンクが満杯に近づき、事故処理の妨げになっていました。
そこで、2021年に菅政権が処理水の海洋放出を決定し、原子力規制委員会の認可のほか、政府の要請にもとづき、国際原子力機関(IAEA)が海洋放出計画について「国際的な安全基準に合致する」などとする報告書を公表するなどの手続きを進めてきました。
東京電力は、放出前にまずトリチウム以外の放射性物質の濃度について国の基準を下回らせたうえで、トリチウムについても国の規制基準の40分の1を下回るように、処理水の100倍以上の量の海水と混ぜ合わせて2023年8月24日から海洋への放出を開始しました。
処理水は今後も増え続けるため、少なくとも約30年は海洋放出が続く見通しです。ALPS処理水の海域モニタリング調査結果は、東京電力の処理水ポータルサイトや、福島県の公式サイトで公開しており、すべての測点で、検出下限値未満まで濃度が下がっていることが確認できています。
東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をきっかけに、中国の国番号「86」の電話番号から日本の各地へ迷惑電話が多数確認されています。こうしたなか、NTT東日本が対応策を公表しました。
NTT東日本の公式サイトは、前提として「固定電話およびひかり電話にかかってくる国際電話について、当社は外国の通信事業者と直接接続していないことから特定の国番号の着信だけを拒否することや国際電話自体の着信を一律停止することはできません」と説明しています。
そのうえで、外国からの迷惑電話の被害を軽減するための対策として、次のサービスを紹介しています。
具体的な活用方法は以下の通りです。
電話をかけてきた相手の電話番号が、電話機などのディスプレイに表示されるサービスで、外国からの着信時は、ディスプレイに国番号や「表示圏外」が表示されます。
電話番号を通知しないでかけてきた相手に、「こちらは○○○△△△□□□□です。おそれいりますが、電話番号の前に【186】をつけてダイヤルするなど、あなたの電話番号を通知しておかけ直しください」などのメッセージで応答します。
ひかり電話の利用者向けに、迷惑電話を受けた直後に、電話機で登録操作を行うことで、同じ電話番号からかかってきた場合には、「この電話はお受けできません。ご了承ください」などのメッセージで応答します。
NTT東日本の相談窓口(迷惑電話対策センタ)は0120-325-263。平日・土日祝日9:00~17:00(年末年始除く)
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