目次

  1. 本の紹介者
  2. 創造と革新を生み出すには いかに考え、行動するか
  3. モノだけでない「心地よさ」「満足感」の提供目指す

長谷部愛さん

日本とインドネシアをつなぐ仕事をしています。小さな木材専門商社アトツギ←NTT/新規事業模索中/グロービス経営大学院/中小企業診断士

 工芸とは、人が本来持っている「美しいものをつくりたい」という欲求や欲望に忠実に従い、何かを生み出すことです。

 しかし「伝統工芸」と表現した途端に、その分野の常識や固定概念に囚われがちになります。人が本来持っている欲望を忠実に表現し、創造と革新を生み出すには、いかに考え、行動するか。それをテーマにした本です。

 創造と革新を生み出すヒントを得るには、縦の探索(歴史を遡ること)と横の探索(異分野を知ること)。その両方が必要です。

 創造と変革は、組織という土壌から生まれるものです。西陣織の老舗アトツギである細尾氏が海外マーケット、ラグジュアリーブランド市場をいち早く開拓したように世の中では捉えられています。しかし、実は先代が海外進出にチャレンジしていました。

 それであれば家業をやってみたい、と細尾氏が考え、海外市場開拓専属で参画し、発展したといいます。

 私(長谷部さん)も縦と横の探索を開始。顧客にモノを提供するときに、ただモノを提供するだけでは機能以上の価値がありません。デザインや色彩、もしくはその素材を活かす何かを空間、体験として提供し、「心地よさ」「満足感」を提供できるようにしたいのです。

 そのために、異分野との掛け合わせを模索しはじめています。また、歴史も遡り、過去の工法などを知ることで、ヒントを得たいと思っています。