目次

  1. 右肩上がりの抜型業界で成長
  2. 廃業を考えた父と大げんか
  3. 同業の仲間に仕事を奪われる
  4. 情報公開で増やした人材
  5. 経営者勉強会で学んだこと
  6. 「あくなき挑戦」で誕生した新商品
  7. コロナ禍で社員を励ます手紙
  8. 二つの新ブランドを育む
  9. 経営計画や財務諸表も社員に公開

 抜型とは、紙器や什器などを作る時に使う器具のことです。切りたい形状に曲げられた刃物をベニヤ板に埋め込んだもので、印刷された紙を抜き取ります。

 抜き取られた紙は折り曲げるなりして立体的に成型されます。商品を収める化粧箱や菓子箱をはじめ、コンビニやスーパーなどで商品を陳列するのに使われている紙製の什器も、抜型で抜き取った紙で作られたものです。

 抜型業界は1990年ごろが最盛期で、当時は抜型製造企業が1千社ほどあったといいます。しかし、ペーパーレス化の進展などで紙製品の需要が減少したことから、2020年には400社程度まで減りました。厳しい事業環境の中でも、テイ製作所は現在、従業員6人、年商は1億円ほどをあげています。

テイ製作所製の抜型

 テイ製作所は1992年、田中さんの父・栄光さんが抜型製造会社を退職し、個人事業として創業。父は工場長と2人で、主に封筒や振込用紙など薄紙用の抜型設計から製造までこなしました。

 田中さんは父から後継ぎに関することは特に言われず、飲食業で働きながら、20代で野菜ソムリエとフードコーディネーターの資格を取得。飲食店でメニュー開発、販促策の実行、アルバイト育成など、運営全般に携わりました。

テイ製作所で手がけている紙器(同社提供)

 10年ほどたった2009年ごろ、田中さんは父から突然、父方の祖母の介護のことで呼び出されます。

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