目次

  1. モノづくりに誇らしさを感じて
  2. 米大学で電子工学を学ぶ
  3. 後継者不足と文化の希薄化
  4. 子どもを意識した新ブランド
  5. 漆器の技術がランプシェードに
  6. 若手職人育成に取り組む
  7. カフェ付きの体験施設をオープン
  8. 付加価値を付けて伝統を創造

 山中温泉は漆器の一大生産地として知られています。山中漆器は木地挽物(きじひきもの)技術に優れ、お茶碗などの丸い漆器をメインに製造してきました。茶道具の棗(なつめ)など木地の漆器の多くはこの地域で作られ、全国の挽物の中で質も生産量も群を抜いているといいます。

 漆器は職人たちの分業でつくられます。木地師、下地師、塗師、蒔絵師たちの高い技術と経験を重ねられ、高品質なものづくりを継承してきました。

 守田漆器は1909(明治42)年、守田さんの曽祖父にあたる初代庄作氏が営んでいた守田商店が母体です。祖父の2代目庄作氏が1970年に守田漆器を創業。その後、2代目の叔父を挟み、守田さんの父で3代目の進氏が経営を担いました。現在の従業員数は14人、商品アイテム数は約2800点にのぼります。

 「人に何かを伝承して、モノづくりをする仕事が誇らしい気持ちでした」。守田さんは子どものころの家業への思いを、こう振り返ります。

山中漆器はお椀などの円形の漆器が特徴です

 守田さんは高校卒業後、米国の大学で電子工学を学びました。「これから伸びていく分野かなと。モノづくりはもともと好きで、大学時代はコンピューターやソフトを作る勉強をしていました」

 父からは大学卒業のタイミングで、「今すぐとは言わないが、将来的には継いでほしい。今は好きなことをやればいい」と言われました。

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