目次

  1. 工作体験ができるたき火台
  2. 自由研究のネタに町工場製品を
  3. テレビ番組の露出拡大は不発に
  4. SDGsの観点がラジオから注目
  5. 子どもが楽しめるアイデアを
  6. 工作体験の充実を目指して

 1966年創業の小沢製作所は、大型の加工機械による数百個単位の中ロット生産を得意にしている町工場です。生産能力の高さから、試作量産に対応できる工場として頼られています。従業員数は18人、年間売上高は約2億円です。

 創業者の孫で3代目の小沢さんは2020年から、これまでの下請け事業に加え、一般消費者向けのアウトドア用品の開発を始めました。

 「八王子市を『アウトドアの聖地』としてブランディングする活動をしている経営者仲間と出会ったことが、商品開発のきっかけです。製品の価値を伝えるにはブランディングが必要ですが、町工場単独でできることには限りがあります。一緒に頑張れる仲間が必要でした」(小沢さん)

 小沢製作所は、アルミ製箱型飯ごう専用のストーブ台などユニークなアウトドア用品を発売。22年に発売した「小焚台」(税込み2200円)は、板金を手で曲げたり、ネジで留めたりするなど、ユーザーが簡単な工作体験ができる点に特徴があります。

 「アウトドアを親子で楽しんでもらおうと開発しました。最近のアウトドア市場では、たき火台のリリースが相次ぎ、競争が激化しています。独自のポジショニングを模索するうち、たき火台に工作体験の要素を加えようとひらめきました」(小沢さん)

 小焚台は販売数1千個を突破し、香港への輸出も決まるなど販路を広げています。発売以降、小沢さんは工作ワークショップなどのイベントに呼ばれるようになり、露出機会も徐々に増えています。

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