目次

  1. 「片底袋」でパレット輸送を後押し
  2. 荷主からの引き合いが増加
  3. 「当たり前」の見方を変えて課題解決を

 シコーは1950年創業、従業員は約200人。業務用の原料や資材を入れる産業用包装容器(紙製やポリエチレン製の袋、プラスチック段ボールなど)を開発・製造するBtoBのメーカーです。2021年6月、4代目の白石忠臣さん(41)が社長に就任しました。

 そんなシコーは2023年9月、「目前に迫る『2024年問題』解決のご提案です!」と題するYouTube動画を公開しました。

 動画でフォーカスしたのが「パレット輸送」です。パレット輸送は、四角い台(パレット)の上に荷物を載せることで、フォークリフトを使ってトラックの荷物を積み下ろしできるようにする方法。手作業の積み下ろしに比べて大幅に作業時間を短縮できるため、輸送力不足が懸念される「物流の2024年問題」への対策の一つとして注目されてきました。

 しかし、脱脂粉乳や飼料など粉末状のものを運ぶのに広く使われているのは、枕のような形をした「ミシン袋(たい)」と呼ばれる紙袋。丸みがあることから、積み重ねると隙間ができ、パレットからもはみ出してしまいます。本来はパレット10枚分を載せられるトラックでも、ミシン袋がはみ出たパレットだと8枚分しか載せられないなど、積載効率の悪さがネックとなっていました。

 「パレット輸送を導入するためにも、なんとか紙袋をパレットにおさまるようにしてほしい」。そんな食品メーカーの相談を受けて、シコーは「片底袋(かたぞこたい)」を提案しました。

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