ビックモーターの下請法違反行為一覧 買いたたきや保険強要 公取委が勧告
公正取引委員会は2024年3月15日、中古車販売大手「ビッグモーター」とその子会社「ビーエムハナテン」に対し、単価の一方的な引き下げや損害保険の契約強制、無償での草むしりなどの下請法違反の行為が認められたので勧告と指導をしたと公表しました。下請法違反と認定された行為について整理しました。
公正取引委員会は2024年3月15日、中古車販売大手「ビッグモーター」とその子会社「ビーエムハナテン」に対し、単価の一方的な引き下げや損害保険の契約強制、無償での草むしりなどの下請法違反の行為が認められたので勧告と指導をしたと公表しました。下請法違反と認定された行為について整理しました。
目次
公取委によると、ビックモーターとビーエムハナテンへの勧告対象となったのは、中古自動車の表面研磨加工・コーティング加工を委託している事業者への3つの行為です。
ビックモーターは、2021年3月、営業本部の一部の者と関西・北陸エリアの販売店の店長が業務上のやりとりを行うメッセージアプリのグループで、当時の営業本部次長から各店長に対し、コーティング加工の施工料金について「各店、施工料金がバラバラなので、形状ごとの最安値の金額に価格交渉して合わせてもらいましょう」と指示していました。
実際に12月ごろ、当時の店長から、下請事業者に対し、営業本部などの意向を踏まえたコーティング加工の発注単価の引き下げを要請し、従来単価から27.7%引き下げた単価を設定していました。
ビックモーターは、役員、営業本部、経理部及び各店舗の店長が業務上のやりとりを行うメッセージアプリのグループで、2022年10月、当時の取締役副社長から各店長に対し、「出入りしてる業者の車は全てウチで購入、買取、車検を徹底させてください」と指示していました。
実際に次のような事実を確認したといいます。
具体的には、下請事業者に対して、メッセージアプリを使用して「早くも超絶保険ブーム来ました!」、「至急保険加入の確認をしますのでエクセル入力して欲しいです!」などと要求していたといいます。
ビックモーターは下請事業者に次のような行為を無償で行わせていました。
公取委によると、ビックモーターとビーエムハナテンへの指導対象となったのは主に5つの行為です。
公取委は、以下のような事情から限定的な調査にとどまったと説明しています。
そこで、弁護士など独立した第三者による下請け事業者からの情報を集める窓口を設置し、申し出のあった内容について調査を行うよう求め、公取委への報告や概要の公表するよう求めました。
公取委からの指導に対し、ビックモーターは公式サイトで次のようなコメントを発表しました。
公正取引委員会の勧告内容に従って真摯に対応するとともに、今後は同様の事象が発生しないようコンプライアンス遵守を最優先に皆様からの信頼回復に向けてグループ全社を挙げて尽力して参ります。
公正取引委員会からの是正勧告処分について(ビックモーター公式サイト)
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