「トコジラミ」の被害が拡大 駆除依頼の注意点と持ち込ませないポイント
人の血を吸い、強烈なかゆみを引き起こすトコジラミ(南京虫)の目撃報告が国内でも増えています。都内や埼玉県内からトコジラミの駆除依頼が寄せられている「セスコ」(東京都足立区)2代目候補の新島慎之介さんに駆除の様子と駆除依頼時の注意点について聞きました。
人の血を吸い、強烈なかゆみを引き起こすトコジラミ(南京虫)の目撃報告が国内でも増えています。都内や埼玉県内からトコジラミの駆除依頼が寄せられている「セスコ」(東京都足立区)2代目候補の新島慎之介さんに駆除の様子と駆除依頼時の注意点について聞きました。
「トコジラミが注目されるようになり、血糞など見分け方も広く知られるようになってきました。そんななか、都内や埼玉県内からの月数件のトコジラミの駆除依頼が寄せられています」。これまでの依頼を振り返りながら、セスコの新島さんはそのように話しました。
元々、シロアリなど害虫駆除や、ハクビシンなどの害獣対策が多かったセスコ。トコジラミの駆除依頼は、民間の宿泊施設や生活保護に関わる福祉施設など多数の人が出入りする施設から寄せられることが多いといいます。
大阪府の公式サイトによると、トコジラミはナンキンムシ(南京虫)とも呼ばれるカメムシの仲間で、人を吸血してかゆみを引き起こします。
海外での流行が報道されていますが、国内でも海外からの旅行者や荷物などから持ち込まれるなど被害が年々増えています。
トコジラミは明るい間は、家具の隙間や壁の亀裂などに隠れていますが、夜など暗くなると出てきて吸血します。洋室であれば、ベッドの端や狭い隙間、和室であれば畳の隙間に潜り込みます。
羽を持ちませんが、歩行スピードが非常に早く、荷物や家具などに素早くもぐりこんで生息範囲を拡大します。
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新島さんは「駆除するときは、血糞など痕跡が見つかった部屋の隙間や端を中心に薬剤をまいていきます。使用する薬剤の量は多く、生息範囲が広がると個人での対応が難しくなります」と話します。
セスコでは、細かい隙間に生息する吸血性の害虫(ノミやダニ)の場合、フェノトリン系の炭酸ガスの薬剤を隅々まで使用して駆除しています。しかし、トコジラミはフェノトリンに耐性があるため、炭酸ガス系の薬剤を使用できません。
「そのため潜みそうな細かい隙間に対して人力で薬剤を処理しなければならないので非常に手間がかかります。また、見落とすと完全に駆除できないので、慎重に施工しなければいけません」
個人での駆除が難しい場合、専門業者に相見積もりを出すかもしれません。新島さんは「価格だけでなく、駆除回数についても確認した方がよいでしょう」と話します。
トコジラミは卵の状態では、殺虫剤成分が効きづらいため、殺虫剤を一度まいただけでは、駆除しきれない場合もあるといいます。そこで、新島さんは10日~2週間後に二度目の駆除をするようにしているといいます。
また、布団など薬剤の効果がすぐに出せない場合、駆除業者は乾燥機を搭載した「加熱乾燥車」を提案する場合もあるといいます。
駆除依頼で迷った場合は、日本ペストコントロール協会が全国47都道府県に設置している地区協会に相談すると良いでしょう。地元住民や企業などからの相談に無料で対応する「害虫相談所」があります。
一度、トコジラミを持ち込んでしまうと、駆除には時間もお金もかかるため、まずは建物内に持ち込ませないことが基本となります。
新島さんは「トコジラミは鞄の縫い目やジッパー付近の縫い目に入り込んでしまいます。長期旅行帰りなど心配がある荷物は、風呂場など明るくトコジラミを見つけやすい場所でパンパンと払ってもらうなどまず確認しておくことをおすすめします」と話します。
荷物をビニール袋などに詰めておく方法もありますが、環境によっては一週間以上過ぎても生きていることがあるので注意が必要です。
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