目次

  1. マインドマップとは
  2. マインドマップを活用するメリット
    1. 思考の整理ができる
    2. アイデアの抽出とブラッシュアップに役立つ
    3. 会議やプレゼンテーションを効率化する
    4. 情報共有によりコミュニケーション促進
  3. 無料で使えるマインドマップツールおすすめ6選
    1. Mindmeister
    2. XMind
    3. Miro
    4. MindMup
    5. Cacoo
    6. Coggle
  4. マインドマップツールの選び方
    1. 使用目的を明確にする
    2. ツールの種類の違いを把握する
    3. 導入・運用コストを事前に把握する
    4. 操作が簡便なものを選ぶ
  5. マインドマップを自分で書くときの手順
  6. マインドマップを活用して思考力や組織力を高めよう

 マインドマップは、情報を視覚的に整理し、要素を関連付けるために使用されるツールです。中心にメインとなるテーマを置き、放射状にキーワードやアイデアを枝分かれさせていくことで、思考の流れや概念の関連性を明確にします。

マインドマップの例
マインドマップの例(デザイン:中村里歩)

  ビジネスシーンでは、アイデアのブレインストーミング、プロジェクト計画の構築、情報の整理、プレゼンテーションなど、さまざまな場面で利用されます。

マインドマップが活用できるシーン
ブレインストーミング 新しいアイデアや解決策の抽出
プロジェクト計画 プロジェクトの目標、必要なタスクなどの明確化
情報の整理と要約 情報やデータのキーポイントをわかりやすく要約
議事録作成 会議での議論のポイントや決定事項を整理し、視覚的に記録
プレゼンテーション 構成の作成やプレゼンテーションでの使用
意思決定 最適な決定を下すための基礎情報としての活用
知識管理・共有 専門知識や学習した内容の整理と共有

 マインドマップは、ひと目で全体を把握できる視覚的な特徴と柔軟性の高さにより、アイデアの発想から実行までのプロセスを支援し、ビジネスにおける効率性と創造性を高める強力なツールです。

 マインドマップは、組織内の情報共有やアイデアの創出など、ビジネスシーンでも役立つツールです。ここでは、マインドマップの活用メリットを具体的に説明します。

 マインドマップを使用する最大のメリットは、思考の整理が格段にしやすくなることです。ビジネスシーンでは多種多様な情報が飛び交い、さまざまな課題に直面しますが、マインドマップを使えば情報や課題を視覚的に整理できます。

  メインテーマから枝分かれしたアイデアやタスクに着目すれば、複雑な問題もステップバイステップで取り組みやすくなり、より戦略的な意思決定が可能になります。このプロセスを通じて、企業全体の目標達成への道筋がクリアになり、経営の効率化につながるのもメリットです。

 マインドマップは、複数人でのアイデア出しにも非常に有効です。限られたリソースのなかで新しいアイデアやソリューションを生み出す場合、マインドマップを利用すれば参加者全員の考えを一つのマップ上に集約できます。

 また、参加者間の意見の相違や誤解を減らしたり、アイデアの結合や新たな視点の発見が促されたりすることで、より革新的なソリューションの創出に繋がります。

 マインドマップは、会議やプレゼンテーションの質を高め、効率化するうえで非常に効果的なツールです。議題やデータ、報告内容をマインドマップに落とし込めば、情報を簡潔かつ直感的に伝えることができ、会議やプレゼンテーションの時間を大幅に短縮できます。

 また、議論の焦点が明確になり、より生産的な議論が実現できるため、会議時間の節約とともにコミュニケーションの質向上を図ることも可能です。

 マインドマップは情報共有の手段としても優れており、組織内のコミュニケーションを活性化させる効果があります。

 ビジネスシーンでは部門間の情報の壁があり、プロジェクトの進行を阻害する場合もあります。マインドマップを用いれば、プロジェクトの概要から細部にわたるタスクまで、関係者が同じ情報を視覚的に共有することが可能です。これにより、意思疎通の障壁を低減し、異なる部門やチーム間での協力を促進します。

 また、全員が同じ情報を共有できることで意思決定のスピードが上がり、組織全体のアジリティが向上することで、企業の成長と発展に役立ちます。

 マインドマップは手書きでも作成できますが、ビジネスシーンで活用する際はツールを使用するとより素早く効率的に目的のマップを描くことができます。ここでは、無料でも使用できるマインドマップツールを六つ紹介します。

 Mindmeisterは全世界で3700万人以上が使用する、クラウド型のマインドマッピングツールです。インストール不要で他のデバイスからでもリアルタイムでのデータアクセスが可能で、ブレインストーミング、プロジェクト計画、プレゼンテーション作成など、幅広い用途に対応しています。

Mindmeisterの基本情報​
種類 クラウド型/アプリ型
無料版でできることの例 ・最大三つのマインドマップ保存
・チームメンバー数無制限での編集
有料版でできることの例 ・WordやPowerPointへのエクスポート
・ファイルや画像の添付
おすすめの使い方 作成共同作業や情報の整理、アイデアの共有
公式URL http://mindmeister.jp/

 XMindは、オープンソースのインストール型マインドマップソフトウェアです。フィッシュボーンやツリーテーブル、組織図などのさまざまなテンプレートを搭載しており、直感的で見やすいマインドマップの作成ができます。

 インストール型であり、複数人での同時編集機能はありませんが、プロジェクトのタスク分類や期限などの設定もでき、個人利用に便利です。

XMindの基本情報
種類 インストール型/アプリ型
無料版でできることの例 ・無制限のマインドマップ作成
・チームメンバー数無制限での編集
有料版でできることの例 ・画像やファイルの添付
・方程式の挿入
・WordやExcelをはじめとしたさまざまなツールへのエクスポート
おすすめの使い方 個人での情報整理やアイデアの可視化、プレゼンテーションの準備
公式URL https://jp.xmind.net/pricing

 Miroは、世界中で6000万人以上のユーザーを持つオンラインワークスペースであり、特にチームでの共同作業に特化したクラウド型マインドマップツールです。 

 オンラインホワイトボードを用いてドキュメントや画像、プレゼンスライドまで共有しながら議論できるので、アイデアのブレインストーミングや市場分析、プロジェクト管理まで、あらゆるシーンで利用できます。

Miroの基本情報
種類 クラウド型
無料版でできることの例 ・三つのボードの編集/保存
・ホワイトボードの共有
・ZoomやSlackなどの外部ツールとの連携
有料版でできることの例 ・セキュリティ機能
・ビデオチャット
・投票機能
おすすめの使い方 プロジェクト管理、チーム内でのアイデア共有、オンラインミーティング
公式URL https://miro.com/ja/

 MindMupはGoogleドライブと連携できるクラウド型のマインドマップツールです。直感的な操作性で使いやすく、個人利用からチームでのプロジェクト管理まで、幅広く活用できます。

MindMupの基本情報
種類 クラウド型
無料版でできることの例 ・無制限のマインドマップ作成
・画像やファイルの添付
・PDFやPowerPointへのエクスポート
有料版でできることの例 ・データの保存期間の無期限化
・マップの共同編集
・マップのサイズ拡張
おすすめの使い方 プロジェクト管理、チームでのブレインストーミング、会議の議事録作成・共有
公式URL https://www.mindmup.com/

 Cacooはクラウド型のオンライン作図ツールで、ワイヤーフレーム、フローチャート、マインドマップなど、多様な図を作成できます。マインドマップ専用のツールではありませんが、100種類以上のテンプレートが搭載されています。 

 共有フォルダを使った共同編集などができる「チームプラン」のほか、個人利用の「プロプラン」もあるため、トライアル期間に使用感を確認しましょう。

Cacooの基本情報
種類 クラウド型
無料版でできることの例 ・30日間のトライアル期間
有料版でできることの例 ・ビデオ通話/コメント機能
・リアルタイム共同編集
・外部サービス・ツールとの連携
おすすめの使い方 チームでのデザイン作業やプロジェクト管理
公式URL https://cacoo.com/ja/home

 Coggleは、ブラウザ上でシンプルかつ直感的に操作できるクラウド型のマインドマップ専用ツールです。シンプルでポップなデザインのテンプレートが多く、視覚的に魅力的なマップを簡単に作成できます。

Coggleの基本情報
種類 クラウド型
無料版でできることの例 ・公開版であれば無制限にマインドマップを制作可能
・非公開保存ができるのは最大三つ
・複数人での共同編集
有料版でできることの例 ・非公開保存図の無制限作成
・高画質画像のアップロード
・チャットの履歴保持機能
おすすめの使い方 チームでのアイデア出し、プロジェクトの計画、知識の共有・管理
公式URL https://coggle.it/

 マインドマップツールにはさまざまな種類があるため、使用効果を高めるためには自社の環境に合ったものが必要です。以下では、ツールを選ぶ際のポイントを紹介します。 

 マインドマップツールを選択する際に最も重要なのは、使用目的を明確にすることです。マインドマップは、アイデアの整理、プロジェクト計画の策定、会議の議事録、複雑な情報の視覚化など、多様な使い方ができるため、使用目的に応じて求められる機能は大きく異なります。

  例えば、クリエイティブなアイデア出しを目的とする場合は、自由度の高いレイアウトや画像添付、色彩のカスタマイズ機能が重要です。一方、プロジェクト管理を主目的とするならば、タスクの進捗管理や期限の設定が可能なツールが適しています。

  ツール選定時にチーム内で使用目的を共有し、目的に最適な機能を備えたツールを選択することが、効率的かつ効果的な運用につながります。

 マインドマップツールは、大きく分けて「クラウド型」「インストール型」「アプリ型」の3種類があり、使用目的や自社の環境に合わせたタイプを選ぶ必要があります。

① クラウド型

 インターネットを介してオンラインで使用するタイプです。特別なソフトウェアをパソコンにインストールする必要がなく、ブラウザから直接アクセスして利用できます。データはクラウドサーバーに保存されるため、異なるデバイスからでもアクセスでき、チームでの共同作業がしやすいのが特徴です。

② インストール型

 ソフトウェアをパソコンなどのデバイスにインストールして使用するタイプです。オフラインでも作業でき、ブラウザ起動タイプに比べて高度な機能を備えているのが特徴です。データは主に使用デバイスに保存されます。ソフトウェアの更新やセキュリティ対策は、ユーザー自身での対応が必要です。

③ アプリ型

 スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス用に設計されたアプリケーションです。モバイルデバイスのタッチスクリーンを利用して直感的に操作でき、基本的にクラウド同期機能があるため、他のデバイスとの間でマインドマップの共有や同期ができます。

 マインドマップツールの導入を検討する際、コストは重要な決定要素の一つです。導入前には、ツールの価格体系を把握し、運用コストと機能のバランスを把握しましょう。 

 マインドマップツールには無料版がありますが、一般的に機能制限が設けられています。例えば、登録できるチームメンバー数の制限、エクスポート可能なフォーマットの制限などがあり、無料版の機能だけでチームのニーズを満たせるか事前確認が必要です。

 また、有料版にアップグレードする場合のコストも考慮する必要があります。有料版はより高度な機能を利用できるため、長期的な視点でチームの成長やプロジェクトの拡大を見据えたうえで、適切な料金プランの選択が欠かせません。

 操作の簡便性も非常に重要なポイントです。初心者でも直感的に理解でき、すぐに使い始められるユーザーインターフェースを持つツールを選択候補とします。

 操作項目が多く、複雑で習得が難しい機能が多いと、ツールを使いこなすまでに時間がかかり、結果的にプロジェクトの進行が遅れたり、チーム内でのツールの使用頻度が下がったりする恐れがあります。

 特に、マインドマップを使ったブレインストーミングやアイデアの整理では、スムーズに思考を形にできることが重要です。チュートリアルやヘルプが充実しており、直感的に操作できるツールを選べば、チームメンバー全員が効果的にマインドマップを活用できます。

 マインドマップを書く際には、以下のような手順で進めます。なお、基本的な手順は手書きもツールも同じです。

マインドマップを書くときの手順
1.中心にメインテーマを置く マインドマップの中心に、考えたいテーマや課題などを記述します。これが全ての出発点になります
2.主要な枝を追加する 主題から直接伸びる大きな枝には、テーマに関連する主要なアイデアやカテゴリーを記入します
3.サブテーマを展開する 各主要な枝から、さらに詳細なサブテーマやアイデアを枝分かれさせます。これにより、テーマが細分化されていきます
4.関連性を示す線を引く 関連するアイデア同士を線や矢印で結び、その関係性を視覚的に示します
5.全体を見直す 全てのアイデアをマップに落とし込んだら、全体を見直し、必要に応じてアイデアの追加や構造の再編成を行います

 マインドマップは、短いキーワードを使って簡潔にまとめることを意識しましょう。色分けしたりイメージやアイコンを用いたりすると、マインドマップ全体の理解度が向上して記憶にも残りやすくなります。

 マインドマップは、アイデアや情報を1枚のマップ上に要素を関連付けながらまとめるツールです。マインドマップを活用することで、思考の整理や情報共有、会議の効率化などさまざまなメリットが得られます。 

 マインドマップは経営戦略の策定から日常業務の管理に至るまで幅広く活用できるため、中小企業が直面するあらゆる課題に対処し、組織の成長を促進するうえで重要な役割を果たします。

 初心者でもステップを踏んで反復してマインドマップを作成することで、自分の思考プロセスの視覚化ができるようになるため、無料ツールを利用しながら手順を参考に試し書きしてみましょう。